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MF文庫J「ようこそ実力至上主義の教室へ」シリーズ考察vol.2

MF文庫Jようこそ実力至上主義の教室へ」!

考察記事リンク

tino-review.hatenablog.com 

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ようこそ実力至上主義の教室へって?

ようこそ実力至上主義の教室へ トモセシュンサク Art Works

著者:衣笠彰梧

イラスト:トモセシュンサク

最新設備があり、希望する就職、進学先にほぼ100%応える全国屈指の名門校・高度育成高等学校を舞台に繰り広げられる学園系ライトノベル

毎月生徒に支給されるポイント(現金の代わり)はクラス単位で決まっており、様々な試験の結果に応じて変動します。結果を残せない者たちは自然と淘汰されていく、実力至上主義な学園での物語です。

作品公式サイト

youkosozitsuryoku.com

平田はなぜDクラスになったのか?

Dクラス屈指のイケメンで、持ち前の爽やかさを前面に出したリーダーシップを発揮し、クラスのまとめ役となっている平田。彼はなぜDクラスに配属されたのかを考察していきます。

原作6巻までに明らかになっている平田の過去は、「中学時代のトラウマ」です。

彼には小学校からの幼馴染がいましたが、中学入学でクラスが別になったことをきっかけに、幼馴染とは疎遠になっていました。その後、幼馴染はいじめを受けはじめ、平田にもSOSを発信しましたが、彼が取り合うことはありませんでした。

その1年後、かなり悪質ないじめにより、幼馴染の精神が壊れてしまいます。結果、幼馴染は教室から飛び降りてしまって脳死状態に

平田は我が身大切さに友達を死に追いやってしまったことを悔い、高校では自分の周りにいる人はみんな助けることにしました

上記のトラウマと決意は平田自身が語った内容ですが、これだけでDクラスになるとは考えられません。彼が隠している、彼自身の起こした事件を考察します。

① 平田がいじめ加害者たちに復讐して事件となった

② 実は平田自身が幼馴染をいじめていた加害者だった

可能性として、上の2つが考えられます。

彼はクラスのチームワークを最重要視する傾向にあり、軽井沢からの偽彼氏依頼を承諾するほど「いじめ」について嫌悪感を持っている様子。①の場合、クラスの連携が壊れることを極端に嫌うことにも納得できますし、Dクラス配属となる十分な理由になり得ますので、本命かと思います。

②の場合は、綾小路に話した内容に嘘が混じることになります。話を聞いた時の綾小路の描写に、平田が嘘をついているような様子は見られませんでしたので、この路線は可能性として低いと考えられます。

よって、平田は幼馴染をいじめていた加害者たちに復讐したため、Dクラス配属になったというのが濃厚かと思います。

坂柳有栖の正体と綾小路との関係性について

Aクラスのリーダーである坂柳は、綾小路の過去を知る人物です。

彼女から得られる綾小路の情報は以下の4つ。

・8年と243日ぶりの再会

・ホワイトルームに綾小路がいたことを知っている

・綾小路を「偽りの天才」と表現

・綾小路は彼の父親が作り上げた最高傑作

彼女たちは高校1年生ですので、8年と243日前となると、両者が6~7歳のころに出会っているという計算になります。

坂柳がホワイトルームで綾小路と共に英才教育を施されていたのか、スポンサー側の立場として視察に行っていただけなのかは不明です。

更に、昨日10月3日に公開された7巻のあらすじで新たに明らかになった情報として、「高度育成高等学校には隠された謎がある」ことが分かりました。

可能性として、坂柳がホワイトルームとは別の育成機関関係者で、敵情視察でホワイトルームを見に行っていたケースも考えられます。その別の育成機関が高度育成高等学校であり、7巻で理事長が語るという謎とも関わってくるのかと。

もちろん、いままでの考察通り坂柳がホワイトルームで綾小路とともに英才教育を施され、先天性の心疾患が原因で坂柳が離脱したという可能性もあります。ホワイトルームのスポンサーとして関わっていたという可能性もまだ否定できません。

ただ、今回の7巻のあらすじで、「坂柳=別の育成機関(高度育成高等学校)関係者」という線も出てきたかなと思います。先天性心疾患というハンディキャップを持っているにも拘らずAクラスに配属されているのも、深読みすれば関係者なので優遇されているとも考えられます。

ホワイトルームは、いつ、なぜなくなったのか?

7巻のあらすじで「ホワイトルームが既になくなっている」ことが判明しました。

少なくとも8年と243日前に坂柳が確認している時点では存在していますので、なくなったとすればそれ以降になります。

そこで思い出していただきたいのが、綾小路が入学した当初、コミュニケーションに関して非常に不慣れだったことについてです。ホワイトルームが数年前になくなっていた場合、綾小路は中学校などにも通っているはずで、コミュニケーション能力ももう少し高くなっているはずです。

つまり、綾小路が高校入学する直前まではホワイトルームに在籍していた可能性が高く、更に高校入学前に綾小路がホワイトルームを潰したという可能性も出てきます。

このあたりの考察は、7巻の清隆と清隆父の会話内容にヒントがあると思いますので、期待して発売を待ちたいと思います。

 

以上、前回から引き続き、「ようこそ実力至上主義の教室へ」の考察記事を書かせていただきました。色々考察ができる作品で楽しいですね。

今回も長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございます。