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《内容ネタバレ》「ようこそ実力至上主義の教室へ」7巻をレビュー!!

MF文庫Jようこそ実力至上主義の教室へ」7巻!

人気シリーズのアニメ放送後初となる新刊について、レビューします。

※7巻のネタバレを含みますので、ご注意ください。

※ネタバレなしを希望される場合は、以下の記事をご覧ください。

あらすじレビューリンク

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試読レビューリンク

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ようこそ実力至上主義の教室へ7 (MF文庫J)

7巻内容ダイジェスト

12月の半ば、ケヤキモール内で雑談する綾小路グループの面々。クリスマスの話題に花を咲かせつつも、Cクラスの龍園が本格的にDクラスの”存在X"を特定するための調査を開始したことを危惧します。また、Aクラスの坂柳も、神室を綾小路の尾行に派遣。尾行に気付いていた綾小路は、Cクラスに自身の情報を漏らされないように交渉します。

堀北の読んでいたレイモンド・チャンドラーの「さらば愛しき人よ」を又貸ししてもらえることになった綾小路は、昼休みに図書館へ向かいます。そこで、Cクラスの椎名ひよりと遭遇。成り行きで彼女と昼食を共にすることとなります。元々”争いごと”が嫌いだというひよりは、読書好きな綾小路のことを気に入り、自身のお気に入りの小説を綾小路へ貸出します

翌日の放課後、茶柱先生に呼び出された綾小路は、一年半ぶりに父と再会。退学させようとする父に、綾小路は反抗します。高度育成高等学校へ綾小路が入学する根回しをした松尾が、父により焼身自殺に追い込まれたこと。また、彼の息子が高校への進路を全て閉ざされて、進学を断念したことなどを知らされます。特に動揺しない綾小路は、父がボディーガードを連れていないことから、高度育成高等学校には手が出しにくいことを察し、退席しようとします。

そこへ現れたのは、坂柳理事長。綾小路の父とも面識があり、ホワイトルームについても把握している様子です。理事長は、高度育成高等学校が”推薦された生徒のみが入学可能”な学校であり、綾小路は自身の独断で入学させたことを明かします。理事長がバックに付いており、強制的な退学が難しいと理解した綾小路の父は、別の手を打つべく去っていきます。

面談後、綾小路は茶柱先生を追及。自身を嘘によって利用していたことを責め、今後はAクラスを目指すことに積極的に協力しないことを告げます。また、軽井沢との協力関係も絶ち、平穏に高校生活を楽しむべく準備を開始。そんな中、堀北兄から”堀北を生徒会へ入れて影で操り、新生徒会長の南雲に対抗すること”を依頼され、実施を検討してみることにします。

冬休みが目前となったある日、龍園は取り巻きを連れてDクラスを訪問。高円寺に直接尋問します。坂柳も観戦に現れ龍園を挑発しますが、高円寺は一切興味のない様子。龍園も高円寺は”存在X”でないことを確信し、その場は解散となります。

ある程度候補を絞り込みつつも、確信を得られない龍園は、とうとう軽井沢恵”を利用することに。屋上に彼女を呼び出し、冷水を浴びせて”過去の壮絶なイジメのトラウマ”を呼び起こします。軽井沢は折れそうになりつつも、綾小路と一緒の時間が非日常的で、自身がヒロインみたいで楽しかったことを思い出し、過去のトラウマを自身で乗り越えます例え自分が壊されても、綾小路のことは一切話さないことを決意した瞬間でした。

綾小路は、自身の想定よりもプラスに傾いた軽井沢の行動に少し驚きつつ、彼女を助けるために屋上へ乗り込みます。綾小路が”存在X”であると信じられない伊吹でしたが、石崎とアルベルトを一瞬で倒した綾小路に驚愕。伊吹も果敢に挑みますが、即座に意識を刈り取られます。

追い詰めていたつもりが、実際は逆に暴力沙汰になっても問題ないような舞台を用意させられていたことに気付いた龍園。しかし、”恐怖”を感じたことのない龍園は、今後もしつこく綾小路へ仕掛けていくと綾小路を脅します。

一方的に殴られつつも、綾小路への挑発を続ける龍園。綾小路は龍園に対して何の感情もなくただ殴り続け、とうとう龍園はその異様さに”恐怖”を感じてしまいます。龍園が”折れた”ことを確認した綾小路は、即座に強烈な一撃で彼の意識を奪います。

軽井沢を逃がし、戦闘不能になっているCクラスの面々を起こす綾小路。龍園は責任を取って退学すると宣言するも、石崎やアルベルトに懇願されて取り下げます。結果、龍園はCクラスのリーダーを放棄し、ひっそりと影に潜んで、機を伺うことにします

表舞台へ現れた綾小路

体育祭のリレー以外では、今まで殆ど直接関与しなかった綾小路が、今回は直接龍園たちとの決着を付けました。Cクラスを完全に操り、自身が直接関与しても問題ない状況を作り出してから、相手の得意とする”暴力”で屈服させるという容赦のなさ。

長く続いていた龍園との決着もつき、これで残すはAとBクラス。三学期以降は上級生も含めた戦いが繰り広げられるようで、続きが気になります。

ただ、綾小路自身がAクラスを目指す理由がなくなってしまったため、今後彼がどの様なスタンスでDクラスに関わっていくのかも注目です。堀北と平田たちだけでは坂柳には勝てなさそうですし、彼の”戦う理由”を衣笠先生がどう描かれるのか楽しみです。

軽井沢恵の覚醒

本作にはメインヒロインらしいキャラクターはいませんでしたが、今回のエピソードで軽井沢が”ヒロイン”として覚醒したように感じました。

当初、彼女の最優先事項は”イジメられていた過去を隠すこと”でしたが、綾小路と出会うことで”大切なヒーローを守ること”へと変わり、今回のエピソードでは非常に献身的なヒロインとして描かれました。

綾小路がダークヒーロー型の主人公ですので、影でヒーローを支える軽井沢のポジションは”メインヒロイン”と言ってしまっても良いのかもしれません

軽井沢は、最初はモブのような扱いのキャラクターでしたが、色々なエピソードによって深堀りされ、とうとう話の主軸に絡んでくるという意外な展開どのキャラクターからも目が離せなくなり、それが衣笠作品の魅力となっているようにも思います

綾小路の父の目的と高度育成高等学校

今回のエピソードで、高度育成高等学校はホワイトルームとは別系列の機関であることと、Aクラスの坂柳の父親が理事長をやっていることが判明。坂柳もホワイトルームの出身ではなく、父親に連れられて見学した際に綾小路を見たという説が有力になってきました。

また、綾小路によると彼の父の目的は”カムバック”とのこと。強引に動いたことを世間に知られるとマズいということから、”国政”へのカムバックというのが単純に予想されます。理事長も”先生”と呼んでいることから、綾小路の父は元国会議員で、理事長が議員秘書といった関係だったのではないでしょうか。

何らかの理由で議員職を奪われた綾小路の父は、ホワイトルームを設立して国政への再起を図ります。しかし、思わぬ横やりでホワイトルームは一時中断となり、その期間中に綾小路が高度育成高等学校へ脱走したという流れ。

まだホワイトルーム側、高度育成高等学校側双方の目的がハッキリ書かれていないため推測も多くなりますが、かなり色々なことが明らかになったエピソードだったと思います。

 

以上、レビューと考察を記事にさせていただきました。

次回は冬休みということで”短編集”になるようですが、本シリーズの短編はストーリーに大きく関わることが多いため必見かと思います。

今回も長文をお読みいただきましてありがとうございます。

考察記事リンク

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6巻ネタバレレビュー

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作品紹介記事リンク

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