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MF文庫J「ようこそ実力至上主義の教室へ」シリーズ考察vol.1

MF文庫Jようこそ実力至上主義の教室へ」!

原作7巻が10月に発売される前に、まだ明かされていない大きな謎を整理していきたいと思います。

※アニメ及び原作6巻までのネタバレを含みます。ご注意ください。

ようこそ実力至上主義の教室へって?

ようこそ実力至上主義の教室へ (MF文庫J)

著者:衣笠彰梧

イラスト:トモセシュンサク

最新設備があり、希望する就職、進学先にほぼ100%応える全国屈指の名門校・高度育成高等学校を舞台に繰り広げられる学園系ライトノベル

毎月生徒に支給されるポイント(現金の代わり)はクラス単位で決まっており、様々な試験の結果に応じて変動します。結果を残せない者たちは自然と淘汰されていく、実力至上主義な学園での物語です。

作品公式サイト

youkosozitsuryoku.com

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一之瀬さんの大量のポイントはどこから得たの?

Bクラスのリーダーで大人気ヒロインの一之瀬さん。原作2巻では明記されていなかった保有ポイント数値がアニメで2,642,219pptだと明らかになりました。

クラスポイント×100のpptが毎月支給されるため、この時点では4月~6月の3ヵ月分が少なくとも反映されているはずです。

Bクラスへの支給額は4月が100,000ppt、5月と6月が約65,000pptと考えられますので、1人当たりのポイントは最大で230,000pptとなります。全然一之瀬さんのポイントには届きませんね。

何らかの方法でポイントを得ていることは間違いありませんが、どのような方法が考えられるでしょうか?

① Bクラス全員から毎月ポイントを積立し、リーダーの一之瀬さんが管理している

② 美貌を駆使して色々な生徒からポイントを貢がせている

③ 何らかの事業を立ち上げてポイントを稼いでいる

上記3点の可能性が考えられ、最も無難で可能性が高いのは①になります。1クラス40人で約21,000ppt/月を3ヵ月間貯めれば、一之瀬さんの保有ポイント程度にはなりますので、特に違和感はありません。

②の場合、あまり露骨なことをすると学校的にも人間関係的にも崩壊するため、可能性は低そうです。6巻で学校側的にも一之瀬さんのポイントに不正はないと確認されていますので、犯罪行為や校則違反の線もありません

最後の③のパターンですが、学園内で実行可能な事業として、生徒向けにポイント消費者金融などを行っている可能性があります。仮に消費者金融の場合は、元手のポイントが必要なため①の貯金も必要になるかと思いますが…。ただ、このパターンの場合、利用者を集めるために告知を学内で行う必要があり、秘密裏に動くことが難しくなるので、やっていれば綾小路くんにも情報は入ってきそうです。

まとめると、やはり無難な①のパターンが濃厚かと思います。もしくは単価の高い生徒向けの事業を秘密裏に起こしている③の可能性はありますが、この学園の狡猾な生徒たち相手に完全に情報を制限するのは難しいと思いますのでなさそうです。

高円寺六助って何者?

日本有数の企業である高円寺コンツェルンの一人息子。クラスでも殆ど単独行動を取っており、自由に生きています。高い学力と運動能力を持っていますが、協調性に難があるためDクラスに配属されたと考えられます。

誕生日:4月3日

学力:A 知性:C(評価保留) 判断力:C(評価保留) 身体能力:A 協調性:E-

ただ、彼は3巻のザバイバルと5巻の体育祭の両方を途中棄権しています。ただ参加することが面倒だった可能性もありますが、テストの時は好成績を収めつつ、最低限クラスへ協力する姿勢は見せているように思えます。

まだ情報が少なく完全に予想ですが、高円寺くんは「一定時間以上の運動制限」があるのではないでしょうか。体育の水泳の時間やサバイバル初日の探索など短時間なら運動可能ですが、その後休養が必須だったりと制約があるように感じました。物語冒頭のバスの描写でも、席を譲って立つことを避けていましたし。

彼の協調性のなさも、もしかすると運動制限を他人にばれないようにするためにわざとやっていることなのかもしれません。綾小路くんなどに制限を知られて、ある程度本音で話せるようになれば、Dクラスの大きな戦力になるかもしれません。

綾小路清隆の謎について

誕生日:10月20日

学力:C 知性:C- 判断力:C- 身体能力:C- 協調性:D

綾小路くんのデータベースは、実力を隠していることもあり平均以下といった印象。誕生日は龍園くんと同じ日なので、何か関係を匂わせます

彼は高校入学まで「ホワイトルーム」で生活していたため、協調性はデータベース評価の通りに手探り状態の様子。「ホワイトルーム」自体が謎に包まれていますが、「遺伝子レベルから調整された子供に対し、高度な英才教育を施す機関」のようなものだと思われます。誕生日が同じことから、実は龍園くんも綾小路くんと同ロットで生まれた子供だったのかもしれません。

※坂柳さんについて

坂柳さんは「ホワイトルーム」を知っており、綾小路くんを見かけたことがあるそうですので、坂柳さんも「ホワイトルーム」出身者もしくは関係者と考えられます。坂柳さんは個人的な予想ですと、「ホワイトルーム」で教育されたものの、遺伝子調整の弊害で生じた先天性心疾患により途中から一般の学校へ移った出身者と思っています。情報が少なくてまだまだ分かりませんが…。

 

綾小路くんが高度育成高等学校に入学したのは、父親が綾小路君を退学にするように働きかけていることから、「ホワイトルーム」関係者の思惑から外れたことであったと予想されます。綾小路くんが入学した目的としては、以下2つ。

・「ホワイトルーム」関係者からの隔離

高度育成高等学校では外部との接触がほぼ制限される為、綾小路くんの要望にマッチしていたと思われます。

・人は平等なのかを確かめたい

福沢諭吉学問のすすめでは、「身分の上下や家柄、職業で人の優劣は決まらず、学問を修めたかどうかで決まる」といったニュアンスのことが言われています。この教えが正しい場合は、最適な遺伝子をもち、高度な英才教育を施されてきた綾小路くんは最も優れている「最高傑作」であるといえます。

予想ですが、綾小路くんはこの福沢諭吉教えが正しいのかを確かめに入学したのではないでしょうか。学問を最も修めた最高傑作たる綾小路くんが、他の誰かに「劣る」ことを確認できた場合、福沢諭吉の教えが否定され「学問でも人の優劣は決まらない」という論理的な証明になるのだと思います。これにより優劣を決める材料がなくなって、ある意味での「平等」が実現するのかもしれません。

 

今回も長々とした考察記事となってしまいました。長文をお読みいただきありがとうございます。

私の予想(妄想)が大半を占めている為、見落としている原作表記などから考えると矛盾したものもあるかもしれませんが、ご容赦いただけますと幸いです。

引き続き楽しく妄想しながら、本作7巻を待っていたいと思います。