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HJ文庫「セブンスターズの印刻使い」!最高の異世界ファンタジー小説!!

涼暮皐先生の異世界ファンタジーものということで、気になっていたので1巻を読んでみました!

…ん?何か読んだことがあるような気がするぞ?

と思い調べてみると、なんと「小説家になろう」で連載されているではないですか!!この第一章部分、以前読んでいました!仕事が忙しくなって「小説家になろう」を見なくなってしまい、数年経ってしまっていましたが…。

久々に本作を読み、改めて面白い作品だなぁと感じました。しかもイラストは大好きな「フルメタル・パニック」シリーズの四季童子先生ですし!

今回の記事では、本作1巻の個人的なお気に入りポイントをご紹介します!!

セブンスターズの印刻使いって?

セブンスターズの印刻使い1 (HJ文庫)

著者:涼暮皐

イラスト:四季童子

伝説の冒険者集団《七星旅団》の六番目にして、魔力を制限する呪いにより絶賛開店休業中の魔術師アスタ=セイエル。彼は解呪手段を求め入学した魔術学院で選抜者試験に巻き込まれたのを切っ掛けに、再び戦いの表舞台に立つことを決意する。――最強の一角と謳われた印刻使い《紫煙の記述師》が紡ぐダンジョン系王道ファンタジー、ここに開幕!

ウェリウスの扱い方がイイ!!

久々に本作を読んで特に良いと感じたのが、第二学年四傑のウェリウスの絶妙なキャラクター設定と扱い方です。

貴族で天才で人当たりが良く努力も怠らないという完璧スペックなウェリウス。冒頭に落ちこぼれの主人公へ絡んできます。このタイプのキャラクターは、雑な咬ませ犬キャラだったり、実は仲間を裏切る小物なゲスキャラだったりで使われているのをよく見ます。

個人的には、特に掘り下げられていないカースト上位イケメン男キャラの使い捨て転落劇で安易に爽快感を演出しようとする構成が好みでなく、そのような展開を見ると一気に冷めてしまいます。薄っぺらいキャラクターが物語の展開に係ってくると、物語全体も安っぽく感じてしまうんですよね。

そんな使い捨てイケメン感漂うウェリウスですが、本作では咬ませ犬感もなく、思慮深いイケメンで強くて寛容さもあるキャラクターとして描かれていました!このウェリウスの扱い方、最高です!!

仲間の強さと主人公の強さのバランスが絶妙

主人公が本当は強いパターンの作品で多いのが、あまり役に立たたず、主人公の強さに驚くためだけに存在しているような仲間キャラクター達です。学園No.1だとか、歴代トップクラス、100年に1度の天才~等の肩書を持つ仲間のはずなのに、主人公と敵が強すぎて全く役に立てず、リアクション及び戦闘の解説要員になっているキャラクターたち。

ですが、本作の場合は仲間たちも主人公顔負けなくらい実力を持っています。戦闘も主人公が一人で俺TUEEするのではなく、強い仲間たちと協力して戦っているのがとても良いです!普通なことなのかもしれませんが、意外とこのバランスが崩れている作品が多くて…。

登場するヒロインキャラクターが総じて魅力的

メインヒロインのオーラがハンパないレヴィ=ガードナー、優しい系ヒロインのピトス=ウォーターハウス、因縁系かつミステリアスなシャルロット=セイエルと、バランスが良く魅力的な3人のヒロインが登場します。描写の量もバランスよく配分されていますので、読み手によって好きになるヒロインがバラバラになりそうなのが凄く良いと思います!

感想をまとめると

物語全体を通して絶妙なバランスで構成されていて、とても好みな作品でした。ストーリー自体は王道パターンなのかもしれませんが、キャラクターたちが丁寧に描かれていて魅力的なので、物語の続きを読みたくなります。

「ワキヤくんの主役理論」でも感じましたが、涼暮皐先生の作品のキャラクターは奥深くてすごく興味を惹かれます。みんな何か背景が設定されていて、それを隠している描写があるため、それが何かを知りたくて作品を読み込んでいきたくなるのだと思います。

絶妙なバランス構成でできている反面、分かりやすい派手さが少ないので、ファンタジー系のライトノベルをあまり読まない人的には地味に映ってしまうかもしれません。ただ、すごく良く考えられていて面白い作品ですので、まだお読みでない方で興味がある方、是非手に取ってみていただければと思います。

長文をお読みいただきましてありがとうございます。