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〈試読レビュー〉電撃文庫新作「陰キャになりたい陽乃森さん」!!

10月7日発売の電撃文庫新作「陰キャになりたい陽乃森さん」について試読レビュー!!

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tino-review.hatenablog.com

陰キャになりたい陽乃森さんって?

陰キャになりたい陽乃森さん Step1 (電撃文庫)

著者:岬 鷺宮

イラスト:Bison倉鼠

定価:(本体610円+税)

2017年10月7日発売

ISBN 978-4-04-893402-2

「わたしに陰キャを教えてよ!」わかり合えない俺たちの、異文化激突ラブコメ

陰キャと陽キャ――俺たちに課せられた、透明な上下関係。お互い理解し合うことはできないし、そばにいても生まれるのは不幸だけ。だから俺は思っていたんだ。陰キャと陽キャは、別々に暮らすべきだと。なんなら、学校やら自治体レベルで、隔離して生きていくべきだと。なのに――そんな俺らが集う通称「陰キャ部」。陰キャだけの安息の地に、彼女はやってきた。
陽キャ中の陽キャ、リア充中のリア充、陽乃森さん。しかも、彼女は「陰キャになりたい」なんて言いだして……え、ちょ、本気!?自分が言ってることの意味わかってる!?わかり合えない俺たちの、異文化激突青春ラブコメ

試読あらすじ紹介

「……わたしを、陰キャにしてほしいの」

学年首位の優等生にして、モデルとしても活躍中。完全無欠の超絶美少女である陽乃森理瀬。そんな陽キャオブ陽キャの陽乃森さんが、陰キャになりたいなんて…

きっかけは、教室で陰キャ友達とスク水の名札について議論したこと。話題に興味を持った陽乃森さんが、主人公の鹿家野くんに「スク水の名札は漢字とひらがなのどっちの表記が良いか?」を質問し、しどろもどろになりながらも自分の意見を回答したことから、物語は始まります。

その後、突如陰キャ部を訪れた陽乃森さんは、陰キャになりたいと部員たちに依頼します。詳しい理由を聞くために、陽乃森さんの自宅を訪ねることにする部員たち。

実は陽乃森さんには妹がおり、引きこもり状態になっているとのこと。陰キャになれば妹の気持ちが分かるようになり、外に出てきてくれると考え、陽乃森さんは陰キャ部へ依頼を出したのでした。

電撃文庫HP作品ページ

dengekibunko.jp

陰キャって何でしょう?

陰キャの定義が曖昧だったためググってみたところ、「内向的でイケてない人」というのが一般的な定義の様子。特に陰キャの条件に「ぼっち」であることとか「オタク」であることは関係ないんですね。

試読してみての印象ですが、前回の記事で書かせていただいた通り、おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!」に似た印象です。ただヒロインの目指すキャラクターが「オタク」という属性的なものから、「陰キャ」という性格的なものに変わっていますので、本作の方が描き方が難しいだろうなと感じました。「オタク」にしただけでは陰キャになったことにはなりませんし、性格そのものを変える必要がありますので。

もともと「外向的でイケてる」陽乃森さんを、表面上「内向的でイケてない」陽乃森さんへ変えていく物語だとすると、何となく退化のイメージが強いので、そこをどうプラスのイメージに持っていくかが鍵かもしれません。

物語の落としどころは?

陽乃森さんのキャラクターを見た感じでは、相当な出来事がない限り陰キャになることは不可能だと思いますので、「陽乃森さんは陽キャのまま」で、陰キャ部員と協力して「陽乃森さんの妹の引きこもりを治す」が落としどころかなと予想。もともとの陽乃森さんの目的は達成されていますし、本人もあえて陰キャになりたいわけではないでしょうし。

仮にその流れだった場合、「主人公の行動」がどのようなものになるかが物語のジャンルに大きく影響を与えるかと思います。

熱血かつ王道なやり方で問題を解決する場合はヒーロー系作品、「オタク」知識などを活用して妹と仲良くなり、ほのぼのと解決する場合は学園日常系作品、周囲に反感を買いながらも「妹の引きこもりを治す」ことを優先するようなキャラクターなら「俺ガイル」の比企谷くん的なダークヒーロー系となるかと。

学園日常系作品の場合は、類似の作品も沢山ありますので、他の部分で差異を出していかないと埋もれてしまいそう。また、ダークヒーロー系で話をまとめても「俺ガイル」という大作と比較されそうで恐ろしいですね…。

主人公が何らかのキッカケで突如熱血ヒーロー的な性格に目覚め、コメディ的に周囲を巻き込みながら力ずくかつ王道なやり方で解決するパターンとかが、上記大筋三択の中では一番好みかもしれません。

まだ購入するかは決めていませんが、、、購入した場合は、追加レビューなどさせていただきたいと思います。

今回も長文をお読みいただきましてありがとうございます。