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ガガガ文庫「出会ってひと突きで絶頂除霊!」の魅力をご紹介!!

ガガガ文庫「出会ってひと突きで絶頂除霊!」!

赤城大空先生の新作について、ネタバレなしで作品を紹介させていただきます。

出会ってひと突きで絶頂除霊!って?

出会ってひと突きで絶頂除霊! (ガガガ文庫)

著者:赤城大空

イラスト:魔太郎

除霊でトリップ?CまでイケないB級除霊! 
――絶頂除霊
それは突いた相手を生者死者問わず強制的に絶頂させ、もののついでみたいに悪霊怪異を昇天させるろくでもない猥褻能力
各地に悪霊や怪異が出没し、退魔師という職業が存在するこの世界。
未来ある少年少女たちの中から、才能のあるものは「退魔学園」にて修行を積む。
絶頂除霊などという、呪われた能力をその身に宿す少年・古屋晴久は、その学園の中でもおちこぼれだ。
なにせ、能力を使ったら、色々な意味で(社会的に)死ぬ……。
だが、晴久は出会ってしまった。
同じような呪いの眼――淫魔眼を持つ少女・宗谷美咲に。
人の秘密をたやすく暴く、恐怖の瞳術の使い手に。
かくして(半ば強制的に)退魔師史上最低最悪、されどいつしか最強と呼ばれる退魔師たちの伝説が幕を開ける。初めてのまともなお仕事は、怪異・乳避け女との大活劇。
――んほおおおおおおおおおおおおおおおっ!?
今宵も、街には嬌声が響き渡る。それは紛れもなく、昇天の証明。ポンコツ退魔師たちが卑猥な能力で大活躍?エロは世界を救う?ちょっぴりエッチな退魔活劇!!
下ネタという概念が存在しない退屈な世界』『二度めの夏、二度と会えない君』の著者がおくる新シリーズ。

規格外のキャラクターたちによる王道ストーリー

タイトルや表紙などを見ると「本当にガガガ文庫ライトノベルなのか?」と不安になる作品ですが、内容的には退魔師が活躍する王道学園異能バトルものになっています。

ストーリーはテンポが良く、しっかりとセオリーを抑えた構成。世界観も、学園異能バトルのよくある設定を活用。それらをベースに、赤城先生の持ち味である”下品さ”が盛り込まれた、規格外のキャラクターたちが暴れまわります。

冒頭で読者を完全に作品に引き込み、最後まで一気に読ませてしまう、勢いのある作品でした。

卑猥だけど凄い!?ポンコツ退魔師たち

本作の主人公である古屋晴久は、”快楽媚孔”をツボ押しすることで、一撃で除霊することのできる「絶頂除霊」の使い手。人の隠された性癖を見破る異能「淫魔眼」を持つ、退魔師の名門宗谷家の令嬢、宗谷美咲と出会うことで、退魔師として第一線で戦うことになります。

古屋の「絶頂除霊」は高位の霊すら一撃で除霊することが出来る強力な異能で、退魔師の中でも最強の部類に属します。しかし、あまりにも卑猥な能力の為、主人公は能力のことを秘密にして生活しており、周囲には落ちこぼれとして認識されています。

基本的には通常の学園異能バトル作品の俺TUEEE主人公設定ですが、”卑猥な最強能力”という赤城先生独自の要素により、全く新しい作品になっていて、新鮮な気分で読むことが出来ます。更に、前述の要素によって、主人公の厨二感がなくなっているのも良い印象です。

謎の異能の正体と主人公の秘密

主人公の「絶頂除霊」と宗谷の「淫魔眼」は、正体の分からない異能退魔師の中でもトップクラスのみ、それらの異能に関する情報に接することが出来るため、古屋と宗谷は退魔師としての地位を向上させるべく、様々なミッションへと挑んでいきます。

また、主人公は経歴的にも謎な部分が多く、トップクラスの退魔師葛乃葉楓とも交流がある様子。王道ストーリーに併せて、続きが気になる伏線が複数散りばめられており、続巻が楽しみになる構成になっています。

 

以上、タイトルと表紙で躊躇いがちですが、非常に完成度の高い作品ですので、”下ネタ”が苦手でない方は是非ご覧になっていただければと思います。

今回も長文をお読みいただき、ありがとうございます。