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〈あらすじレビュー〉2017年10月ガガガ文庫新作!!

ガガガ文庫2017年10月の新作2点について”あらすじ"から作品レビュー!!

※他レーベルの10月新作・新刊情報は以下の記事にまとめています。

tino-review.hatenablog.com

クズと天使の二周目生活(セカンドライフ

クズと天使の二周目生活 (ガガガ文庫)

著者:天津 向

イラスト:うかみ

タイムリープで勝ち組人生を目指せ! 
――俺の人生は捨て回だ。
雪枝桃也(ゆきえだ・とうや)。三十歳。
仕事はラジオがメインの構成作家。しかし、まったくもって売れておらず、先輩作家や知り合いから振ってもらった仕事で食いつなぐ日々。
かつて同じ番組で仕事をしていた人気声優・神楽屋萌香(かぐらや・もえか)からは忘れられ、家では妹からも冷たくされる桃也だったが、とある飲み会の帰りに工事現場の落下事故に巻き込まれ、鉄骨の下敷きになって命を落としてしまう。
気がつくと何もない空間にいた桃也は、そこで天使のエリィエルと出会い、自らの死が手違いだったことを知る。
「俺は死ぬはずじゃなかったってことなのか?」
「まー、そうなりますね」
「何ヘラヘラしてんだよ! どうしてくれるんだよ!」
「生き返らせます」
「死ぬってのは人間にとって簡単なことじゃ……生き返らせる!?」
救済措置によって過去に戻れることを知った桃也は、渋るエリィエルを丸め込んで10年前に戻してもらうが、過去改変は想像以上の難易度で……。
芸人ディスティネーション』天津 向×『ガヴリールドロップアウト』うかみのタッグでおくる、勝ち組への再起を懸けた人生やり直しコメディ!!

 

吉本興業所属の現役芸人である天津先生と、漫画家であるうかみ先生のタッグということで、注目の作品です。

「芸人ディスティネーション」はリアルな芸人社会の描写に定評があった一方、ヒロインの描写が弱い印象がありました。その部分をうかみ先生が補い、構成もブラッシュアップされるとなれば、名作になる気配がプンプンしてきます。

今回の主人公は、ラジオの構成作家。天津先生もラジオを実際にやられているため、前作同様リアルな業界の描写が期待できます。

また、今回は"タイムリープ"というSF要素が入っており、この要素がどう働くのかも注目かと思います。タイムリープものは設定が浅いと色々ボロが出てきてしまう難しい要素ですが、ハマると非常に面白い要素だと思いますので楽しみです!

出会ってひと突きで絶頂除霊!

出会ってひと突きで絶頂除霊! (ガガガ文庫)

著者:赤城大空

イラスト:魔太郎

除霊でトリップ?CまでイケないB級除霊! 
――絶頂除霊
それは突いた相手を生者死者問わず強制的に絶頂させ、もののついでみたいに悪霊怪異を昇天させるろくでもない猥褻能力
各地に悪霊や怪異が出没し、退魔師という職業が存在するこの世界。
未来ある少年少女たちの中から、才能のあるものは「退魔学園」にて修行を積む。
絶頂除霊などという、呪われた能力をその身に宿す少年・古屋晴久は、その学園の中でもおちこぼれだ。
なにせ、能力を使ったら、色々な意味で(社会的に)死ぬ……。
だが、晴久は出会ってしまった。
同じような呪いの眼――淫魔眼を持つ少女・宗谷美咲に。
人の秘密をたやすく暴く、恐怖の瞳術の使い手に。
かくして(半ば強制的に)退魔師史上最低最悪、されどいつしか最強と呼ばれる退魔師たちの伝説が幕を開ける。初めてのまともなお仕事は、怪異・乳避け女との大活劇。
――んほおおおおおおおおおおおおおおおっ!?
今宵も、街には嬌声が響き渡る。
それは紛れもなく、昇天の証明。
ポンコツ退魔師たちが卑猥な能力で大活躍?
エロは世界を救う?
ちょっぴりエッチな退魔活劇!!
下ネタという概念が存在しない退屈な世界』『二度めの夏、二度と会えない君』の著者がおくる新シリーズ。

 

両極端な物語を世に送り出し、引き出しの多さに驚かされる赤城先生の新作。あらすじを見る限り『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』側の作品だと思われます。今回も尖った作品を発表されましたね…。

一見するとフランス書院案件ですが、ガガガ文庫から刊行されますので、きっと内容はポルノでなくライトノベルになっていると思います。

絶頂除霊を使う古屋と、淫魔眼を持つ宗谷の能力が出会うことによって、どんな相乗効果が描かれるのか楽しみです。あらすじにある”乳避け女"は、字面だけ見ると怪異ではなく変態系っぽいですね。

タイトル的にも、あらすじ的にも危険な香りが強いにも関わらず、何故か気になってしまう作品。赤城先生の作品ですので、きっと笑えて面白い作品になっていると予想します。