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〈試読レビュー〉GA文庫「変奏神話群 剣風斬花のソーサリーライム」!!

GA文庫新作「変奏神話群 剣風斬花のソーサリーライム」!

公式の試し読み部分について、レビューさせていただきます。

変奏神話群 剣風斬花のソーサリーライムって?

変奏神話群 剣風斬花のソーサリーライム (GA文庫)

著者:千羽十訊

イラスト:桑島黎音

英霊の武器で神話を超える、王道バトルアクション!

終末より十二年、世界の半分は異世界に侵蝕されていた――。侵蝕現象《イクリプス》によって現れるドラゴン等の幻想種に対抗するため、魔術士連合、騎士団、錬金ギルドが表舞台に姿を現す。その魔術によって伝説を再現する武具、再現武装が、敵への対抗手段となっていた。

大戦時の英雄である混成部隊に倣い、設立された戦術学院《高天原。そこに現れた魔眼を持つ少年、桜河奏示郎。魔術士連合の切り札の少女、フィオレンツァと彼の出会いが、最も新しい伝説となるのか――。「……もう仕舞いだ、殺しにかからせてもらう」英霊の武器で神話を超える、王道バトルアクション!

ポストアポカリプスから復興が進む世界

本作は、第一次異界迎撃戦と呼ばれる戦いにより崩壊した世界が、徐々に復興を始めた時代。戦争で最も大きな戦果を示した第06混成部隊に倣って、全陣営の戦力を統合した舞台を作り出すための学園が設立され、国が更なる異界からの侵食に向けて準備を整える中、主人公の奏示郎が学院と宿舎へやってきます。

試読部分では描かれていませんが、魔術などを通じて顕現する”英霊の武器”を用いて、異界からやってくるドラゴンなどの幻想生物と戦う学園異能バトル系作品のようです。

主人公の能力とフィオレンツァの役割

主人公の奏示郎は、江戸っ子気質の老成した口調を持つ青年魔眼を持ち、フィオレンツァの叫び声を”視覚的に”捉えることができるようですが、その能力は不明です。

プロローグで戦争を戦い抜いている14歳の少年が奏示郎だとすると、若くして戦いに身を投じる背景があったキャラクターなのだと思われます。ドラゴンなどとも交戦経験があるようですので、彼も”第06混成部隊”の構成員だったのではないでしょうか。

本作のコンセプトが、英霊の武器を用いて幻想生物と戦うところにあるため、彼も何らかの武器を持っている可能性があります。武器は魔術を応用して召喚されるようですので、主人公が宿舎で出会うフィオレンツァが、彼に優れた武器を与える役割を持っているのかもしれません

美麗なイラストで彩る王道学園バトル作品

戦闘のエキスパートである奏示郎と、魔術を用いて強大な英霊の武器を召喚することのできるフィオレンツァが協力して、異世界からの幻想生物と戦う物語だと予想。”英霊の武器”という、FGO等のゲームが好きな層に好感度が高そうな設定を盛り込み、時流をつかんだ作風になっていると思います。更に、美麗なイラストが物語を彩っており、非常に内容が気になるパッケージになっています。

ただ、”英霊の武器”以外はセオリー通りの王道的な内容であり、少しインパクトに欠けているような印象もあります。このような作品の場合、完成度は高いのですが、印象が薄くてすぐに内容を忘れてしまいがちになるので、中盤から後半で独自性のある展開や設定が出てくるかどうかが、評価を分けるポイントになるかと思います。

 

以上、「変奏神話群 剣風斬花のソーサリーライム」について、試読レビューを書かせていただきました。

今回も長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。

変奏神話群 剣風斬花のソーサリーライム (GA文庫)