ソク読みライトノベル

ライトノベルレビューの専門サイト

〈試読レビュー〉富士見ファンタジア文庫新作「リア充絶対爆発させるマン」!!

富士見ファンタジア文庫新作「リア充絶対爆発させるマン」!

公式の試し読みについて、レビューさせていただきます。

リア充絶対爆発させるマンって?

僕はリア充絶対爆発させるマン (ファンタジア文庫)

著者:浅岡旭

イラスト:アマガイタロー

リア充になりたい少年少女の、間違えまくり青春異能ラブコメ

リア充はあらゆる特権を持ち、非モテに人権は無い。独身の烙印を押された、リア充になりたい少年・遥真は、反リア充組織の少女・姫奈との出会いをきっかけにリア充を爆発させる」能力を発現させるが!?

個性的な世界観を楽しむ作品

本作の世界では、中学三年生の時に”恋愛適正発表”という大きなイベントが存在します。恋愛適正は、”異性にモテる力”を分かりやすく数値化したもので、個々人の性格や性的魅力、男子・女子力の高さなどを百点満点で採点し、八十点以上の者は「適正アリ」とみなされます

主人公の遥真が暮らす学園都市「十五地区」には、十五の高校が存在。そのうち、恋愛適正の高い者は「告立校」、低い者は「独立校」へと進学することになります。告立校に入学すれば彼女や彼氏ができることはもちろん、社会的な地位も保証される為、中学生たちはこぞって自身の恋愛適正を磨きます。

現実では”学力”で区分される高校が、”恋愛適正”で区分される世界。個性的な世界観を楽しむことが出来る作品です。

リア充サイドと独身サイドの戦い

告立校に進学したリア充たちと、独立校に進学した独身たち。彼らはそれぞれ、”愛気道””独身術”という技を駆使して戦います。

独身術によって告立校のカップルに勝利すると、そのカップルを破局することができるため、独身たちはリア充たちへゲリラ的な攻撃を繰り返します。ただ、両者が激しく抗争を繰り広げている理由としては弱い印象なので、両陣営の背景描写をもう少し加筆した方が説得力があるように感じました。

主人公の遥真は恋愛適正”0”

本作の主人公である遥真は、恋愛適正が0の超おちこぼれ生徒。確かにモテなさそうな描写はありますが、恋愛適正が0になるほど酷いかは少し疑問でした。

恋愛面での努力は全て逆効果な主人公ですが、性格的には割と常識人です。恋愛適正0の主人公にするなら、もう少し性格面をひねくれさせた方が説得力があったように感じます。

 

以上、富士見ファンタジア文庫新作のリア充絶対爆発させるマン」についてレビューさせていただきました。

各種設定のディテールが少し粗い印象はありますが、それが気にならないくらいの”笑い”要素があれば、良作となりそうです。

気になる方は、是非手に取っていただければと思います。今回も長文をお読みいただきありがとうございます。