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〈試読レビュー〉「戦闘員、派遣します!」4話!!

11月1日に角川スニーカー文庫から発売予定の「戦闘員、派遣します!」!

「このすば」シリーズの暁なつめ先生による新シリーズです!!

※3話のレビューは以下になります。

tino-review.hatenablog.com

戦闘員派遣しますって?

戦闘員、派遣します! (角川スニーカー文庫)

秘密結社キサラギの世界征服は目前に迫り、主人公・戦闘員六号は贅沢な余生を想像していたのだが……上司A「次、異世界派遣だよ」→六号「うそん?」――不遇キャラたちが織りなす、異世界侵略バトルコメディ!!

4話内容ダイジェスト

初陣の後、何度か出撃命令を受けては小競り合いをし、近年稀に見る勝利を収める六号たち。出撃の合間の休日、六号は”誰も自分のことを好きになってくれる気配がない”ことについて思い悩みます。アリスに正気を疑われて医務室に連れて行かれそうになりますが、六号は断固拒否。二人でドタバタしていると、スノウが部屋を訪れます。

スノウによると、勇者一行がダスターの塔の最上階を守る魔物、力のギルと知のリスタに敗れたとのこと。塔には魔王の城を攻略する為の秘宝が保管されており、勇者に代わって、国家総動員で秘宝を奪い取る方針となります。六号は塔の一階で火を起こし、魔物を煙でいぶす作戦を立案。騎士たちは六号の提案について検討しますが、結局正攻法で攻めることとなりました。

全部隊がダスターの塔の攻略を開始する中、六号たちの部隊はノンビリくつろいで機を待ちます。数時間経過し、騎士たちの何人かは最上階に辿り着いているものの、待ち構えていたボスたちに瞬殺されている様子。状況をスノウから確認した六号は、外壁をよじ登って最上階を目指す作戦を実行します。

途中でバテたスノウを背負いつつ、六号はこっそりと最上階へ侵入。ほふく前進で二人の魔物に接近し、知のリスタを塔から突き落とすことに成功。螺旋階段にしがみついている知のリスタを庇ったため、力のギルは六号たちによって袋叩きにされます。更に、何とか最上階に舞い戻った知のリスタ対し、六号は瀕死の力のギルを人質に身代金を要求。見事悪行ポイントが加算されます。

ダスターの塔の攻略に大きく貢献した六号に、日本円で数百万円相当の金貨が報酬として支給されました。秘密結社キサラギでは手取り十八万程度の六号は、真剣にこの国に骨を埋めるか迷います。

カクヨム「戦闘員、派遣します!」リンク

kakuyomu.jp

ファンタジー作品のアンチテーゼ的主人公

今回は六号たちの舞台が、ダスターの塔というダンジョンへ挑むエピソード。通常のファンタジーであれば塔内部の螺旋階段を上り、待ち構えるボスを倒して秘宝を手に入れるところを、本作では”悪の秘密結社”的に攻略しています。

塔の外壁を上ってボスの背後へ回り、不意打ちからの袋叩き、最終的には人質を取って身代金を要求するという、清々しいほど”悪の戦闘員”っぷりを見せていただきました。ファンタジーのセオリーに対し、悪の戦闘員である主人公がアンチテーゼとして機能しているため、ストーリーが斬新で非常に楽しく読むことが出来ます。

この素晴らしい世界に祝福を!」のカズマもそうですが、暁なつめ先生はファンタジーに対してのアンチテーゼを体現する主人公を使って、痛快なストーリーを書き上げるのが非常に巧いと感じました。

 

以上、今回も長文をお読みいただきましてありがとうございます。