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HJ文庫「魔術破りのリベンジマギア」シリーズの魅力をご紹介!!

HJ文庫「魔術破りのリベンジマギア」シリーズ!

ネタバレなしで作品の魅力をご紹介。

魔術破りのリベンジマギアって?

魔術破りのリベンジ・マギア 1.極東術士の学園攻略 (HJ文庫)

著者:子子子子 子子子

イラスト:伊吹のつ

日本の魔術は世界一! 東洋VS西洋の本格魔術バトル! 
二十世紀初頭――めざましい科学技術の発展の裏で、人類は確固たる魔術文明を築き上げていた。世界のパワーバランスすら左右する“魔術師"を育成する機関「セイレム魔女学園」
そこで起きた怪事件解決のため、凄腕術士・土御門晴栄(つちみかど はるな)が米国の地に立つ! 「あらゆる状況を想定し戦術を千変万化させていく――これが、陰陽師の戦い方だ」
北欧神話・死霊術・吸血鬼、様々な魔術体系を東洋魔術でブッ飛ばせ! ハイエンド魔術バトルファンタジー、ここに開幕!!

魔術や陰陽道好きの方にオススメ

本作中には魔術関連の知識が豊富に詰め込まれており、そのジャンルが好きな方には非常に興味深い作品になっていると思います。また、あまり魔術系のジャンルを知らない読者にも理解できるように噛み砕いて表現されているため、まったく魔術知識がない方でも楽しく読める構成になっていると感じました。

様々な魔術体系の話題が出てくるため、読者側も自身で関連情報を調べてから読み直すと、より展開を理解できて面白く感じます。本作のように深い知識に裏付けされた作品は、読者側の知識が増えることで更に面白く読めるのが魅力の一つだと思います。

王道かつ完成度の高いストーリー

天才陰陽師である主人公が正体を隠しつつ学園に潜入し、事件の真相を追っていくというストーリー。主人公が金髪のエリートお嬢様に絡まれたりと、序盤のストーリーはセオリー通りの流れを辿りますが、後半のオチはしっかりと捻られていましたので、全体として非常に完成度が高い作品になっています。

口語的な表現や砕けた表現も使われているため、固い文章になりがちな時代背景とジャンルにも拘わらず、親しみ深い作品になっているのも印象的です。広いターゲット層に魔術系作品の魅力を伝えたいという先生の配慮が感じられて、とても好感を持ちました。

興味深いキャラクターたち

まだシリーズとしても序盤なため、多くのキャラクターの設定は不明な部分が多く、少し記号的にも見えます。

しかし、各シーンにおいて、敵味方関わらずキャラクターの行動や描写が丁寧に描かれており、それぞれのキャラクターが物語の中で”生きている”ように感じることができます。今後、シリーズが続いて、個々のキャラクターのエピソードが補完されることで、魅力的で興味深いキャラクターになっていくと予想され、そのための土台がしっかり築かれているという印象をもちました。

 

以上、本作の魅力についてネタバレなしで紹介させていただきました。

読みやすい作品ですので、魔術系ジャンルに興味がある方は、是非手に取って読んで見て下さい。

今回も長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。