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「冴えない彼女の育てかた」最終13巻発売まで魅力を語ります!vol.3

10月20日に富士見ファンタジア文庫から最終13巻が発売される「冴えない彼女の育てかた」!

最終巻発売直前の特集企画として、PSvita用ソフト冴えない彼女の育てかた-blessing flowers」の各シナリオを紹介したいと思います。

PSvitaソフト及び本作のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

冴えない彼女の育てかたって?

冴えない彼女の育てかた13 (ファンタジア文庫)

著者:丸戸史明

イラスト:深崎暮人

これは俺、安芸倫也が、ひとりの目立たない少女をヒロインにふさわしいキャラとしてプロデュースしつつ、彼女をモデルにしたギャルゲームを製作するまでを描く感動の物がた…「は?なんの取り柄もないくせにいきなりゲーム作ろうとか世間なめてんの?」「俺にはこのたぎる情熱がある!…あ、握り潰すな!せっかく一晩かけて書き上げた企画書なのに」「表紙しかない企画書書くのにどうして一晩かかるのよ」「11時間寝れば必然的に残った時間はわずかに決まってんだろ」「もうどこから突っ込めばいいのよ…このっ、このぉっ!」…ってことで、メインヒロイン育成コメディはじまります。

原作との相違点

PSvita冴えない彼女の育てかた-blessing flowers」と原作の大きく違うポイントは以下の点です。

・5巻で登場する”瑠璃ルート””グランドルート”は存在しません。

・完成版は、2巻で改稿したシナリオがベース

・英梨々は那須高原に行きません

冬コミ後に加藤さんは特に怒りません

冬コミ後に紅坂朱音から英梨々、詩羽先輩へのアプローチはありません。

上記を踏まえたうえで、次項からの各ヒロインエピソードをご覧ください。

詩羽先輩シナリオ

冬コミ直前の12月、自身の作成したシナリオがゲームに適していないことに気付いた詩羽先輩は、修正を開始します。しかし結局納期には間に合わず冬コミは手焼きでの頒布となりました。

年明け、ライバルの伊織のサークルが大容量の追加シナリオを発表。それに触発された詩羽先輩は、追加シナリオ”瑠璃ルート”を書き上げます。安芸は、”瑠璃ルート”の内容が詩羽先輩から自分へのラブレターだと気付き、詩羽先輩へ告白するも、何故かフラれてしまいます

詩羽先輩は、安芸と付き合うことで、作家としての才能が枯れてしまうのではないかと危惧し、告白を断りました。しかし、町田さんから「ハッピーエンドのその先」を作家として知っておくべきだとアドバイスされたことで、安芸と付き合う決心を固めます。

安芸へ電話で呼び出し、彼を嬉しそうに待つ詩羽先輩。安芸も何かの始まりを予感して、待ち合わせ場所へ向かいます。~END~

英梨々シナリオ

冬コミ直前、原画作成が遅れ気味になったため、英梨々は自宅でカンヅメを開始します。しかし、完成直前に英梨々は発熱し、結局原画は間に合わず、冬コミは手焼きでの頒布となります。

年明け、ライバルの伊織のサークルが大容量のCGを使った追加シナリオを発表。それを見た英梨々はスランプに陥り、2月の頒布会でも伊織たちのサークルに完敗します。

安芸は、英梨々をヒロインとした追加シナリオを作成。過去の因縁も英梨々との対話で解消させ、英梨々は感動して復活します。

追加シナリオの原画を無事作成した英梨々は、新学期以降も順調に仕事が舞い込んできている様子。”blessing software”は、卒業した詩羽先輩も含めて変わらず活動を継続します。3月20日の英梨々の誕生日に、安芸はプレゼントを渡し、これからもプロデューサーとクリエイターとして高みを目指すことを誓います。~END~

美智留シナリオ

冬コミで伊織のサークルが大人気となり、完全に敗北した安芸たち。安芸と加藤さんは、自分たちが担当したスプリクトと演出で、特に大きな差を付けられていることに気付きます。

安芸は本格的に演出の勉強を開始しますが、何が良い演出なのかが分からずスランプに陥ります。加藤さんやクラスメイトとカラオケに出かけるも、サークルにいる時とは別の表情をする加藤さんを、少し”遠く”に感じる安芸。「加藤が分からなくなった」と混乱してしまいます。※1

美智留はそんな安芸を見かねて、二人で温泉旅行に出かけます。美智留に提案されて、加藤さんへの想いを詞で綴ることになった安芸。詞にすることで、自分が何をやりたかったのかを思い出し、スランプと混乱を抜け出します。

美智留のライブの日。安芸が温泉で作った詞を、女から男に伝える形にアレンジして、美智留が安芸へ詩で愛のメッセージを届けます。美智留の想いを受け取った安芸は、美智留と結婚前提の同棲をスタートさせます。~END~

加藤シナリオ

美智留シナリオの※1のところまでは共通です。

《ノーマルエンディング》

スランプと混乱の原因は、”加藤さんへの恋”だと詩羽先輩に教えられる安芸。試しに加藤さんへ話しかけてみますが、恋愛感情を全く感じず不審に思います。

詩羽先輩に勧められるまま、六天場モールへ加藤さんとデートに出かけます。あまりに加藤さんが萌えないため、安芸は脳内で加藤さんのリアクションを”萌え変換”することで、自分好みのヒロインにできることに気付きます。

自分の脳内の理想像をゲームに反映し、最適な演出ができるようになった安芸は、二月の頒布会で伊織たちのサークルと同等の評価を受けることに成功します。

ただ、安芸の理想のヒロインはあくまで”脳内の加藤さん”であり、”現実の加藤さん”を見るたびに理想と現実の違いを突き付けられるため、どことなく寂しい気持ちになります。~END~

《トゥルーエンディング》

スランプと混乱の原因は、安芸が”現実の加藤さん”のことを知らなさすぎることだと気付き、加藤さん自身に演出を依頼することに。

加藤さんが自分で演出したキャラクターは、まさに”現実の加藤さん”で、ゲームとして違和感があるため総ボツとなります。ただ、安芸は加藤さんが演出したメインヒロインキャラに萌えを感じたことから、”現実の加藤さんへ好意があること”に気付きます。

初めて出会った探偵坂で、もう一度加藤さんをメインヒロインとした作品を作ると宣言する安芸。加藤さんも何かを呟きますが、風の音で聞こえません。加藤さん曰く、『宣戦布告』だったらしいのですが、結局何と言ったかは教えてもらえませんでした。

安芸と加藤さんは、これからも”blessing software”で、みんなと一緒に作品を作っていきます。~END~

今回は、PSvita用ソフト冴えない彼女の育てかた-blessing flowers」の各ヒロインシナリオについて紹介させていただきました。

仮に第一部で本作が終わっていたとすると、このような展開になっていたのかもしれません。五年間続いたシリーズが完結すると思うと少し寂しい気持ちになりますが、10月20日の最終巻を楽しみに待ちたいと思います。

今回も長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。