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《内容ネタバレ》「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」7巻をレビュー!!

竜ノ湖太郎先生の問題児シリーズについて、7巻をレビューしていきます!

問題児たちが異世界から来るそうですよ?」~落陽、そして墜月~について、内容のネタバレと考察をしていきます!

※7巻のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月 (角川スニーカー文庫)

7巻内容ダイジェスト

サラマンドラ”本拠の宮殿会議室。魔王連盟ウロボロス”の対策会議が開始されます。参加コミュニティは”サラマンドラ”、”ウィル・オ・ウィスプ”、”ペルセウス”、”ノーネーム”を中心に、多数にのぼります。十六夜は”サラマンドラ”の古参兵に実力を示すことで、対ウロボロス戦において主導権を握ることに成功します。その十六夜の姿を見て、階層支配者としての自信を失っていくサンドラ。弱った心に付け込まれ、混世魔王により”神隠し”を受けます

うさ耳を失って失意の底にいる黒ウサギ。彼女を十六夜が励ましていると、ウロボロス”が急襲してきます。”サラマンドラ”へ攻め込む巨人族の大軍。ギフトゲームのルールにより弱体化する火龍たち。十六夜と殿下もゲームマスターとして一騎打ちを開始します。

また、耀とウィラの前には、”マクスウェルの魔王”が現れます。ウィラに執着するマクスウェルは、”氷結境界”という熱を瞬時に奪って凍結させる能力と、空間跳躍の能力を使って彼女たちを苦しめます。耀は"生命の目録”から”マルコシアス”を再生し、マクスウェルの空間跳躍に対抗。かつて彼を追い詰めた男と同じ戦法を取る耀ですが、マクスウェルの”踊る姉妹人形”により再度苦戦。追い詰められつつも、ぎりぎりで逃亡に成功します。

また、飛鳥はディーンと”城壁”アルマティアを駆使して巨人たちを殲滅していきます。そこへ立ちはだかるサンドラの姿をした混世魔王グライア。ジャックも参戦しますが、混世魔王とサンドラのゲーム内容が分からず、彼女を開放する方法が分かりません。子供に対して狼藉をはたらく混世魔王に怒りを覚えたジャックは、”主催者権限”を利用してギフトゲームを発動させます。混世魔王を追い詰めつつも、ぎりぎりで取り逃がしてしまいます。

リンはサンドラから奪った星海龍王の角で呪いを避けつつ、封印の台座へと辿り着きます。後を追っていたジンは、共に”ウロボロス”を討とうとリンへ交渉を開始。そんな時、帰還したマクスウェルを警戒したリンは、ジンを刺すことで裏切りをごまかします。

飛鳥とペスト、ジャックは巨人族を引き続き討伐。しかし吸血鬼と化した巨人族は強敵で、なかなか数が減りません。そんな時、”煌焔の都”を守る最後の砦「第一龍角宮」が破られたとの情報が入ります。形勢は不利となり、飛鳥はアルマティアに黒ウサギとジンの回収と本拠地への撤退を命じます。残った飛鳥とペストは、火龍たちに発破をかけつつ防衛線の維持に努めますが、そんな劣勢の中、東の階層支配者である蛟劉が参戦巨人族アウラに対して反撃を開始します。

お互いの死力を尽くした戦闘を続ける十六夜と殿下。配下の夢を叶えたいという殿下の覚悟に、十六夜は痛々しさを覚えつつ全力で応戦。次で勝負が決まるかという所で、尋常でない大地震が発生します。そして、リンが開放した箱庭第三桁で最悪の魔王”アジ=ダカーハ”が降臨。黒ウサギを庇った十六夜は重傷を負いますが、彼女たちを逃がすために只一人、魔王と戦う決意をします。

”悪の根源”が登場

ゾロアスター教で”悪の根源”とされている”アジ=ダカーハ”がとうとう登場しました。数ある英雄たちでも封印がやっとという伝説の魔王ですが、十六夜たちがどのように攻略するのか楽しみです。

神話的英雄のクルサースパに倒される未来が確定している怪物ですが、クルサースパ自身は神格が認められていないため、本作の”箱庭”ではあまり強さを発揮できない存在かもしれません。

また、首ごとに”苦痛”、”苦悩”、”死”を司っているとされ、本作でもその設定が活かされるのか気になります。

様々な神話や逸話とのリンクが楽しい

本シリーズですが、あらゆる神話や逸話、伝承などがキャラクターのモチーフとなっていますので、それぞれのルーツと本編での描かれ方を見比べると非常に面白いかと思います。

各種設定を流して読んでも物語を理解できるので問題はありませんが、更に楽しむために色々な単語を調べてみると、色々新しい発見があって楽しいです。

ギフトゲーム詳細

『Tain Bo Cuailnge』

・参加者側ゲームマスター ”逆廻十六夜

・主催者側ゲームマスター ” ”

・ゲームテリトリー ”煌焔の都”を中心とした半径2km

・ゲーム概要

 ※本ゲームは主催者側から参加者側に行われる略奪型ゲームです。

 このギフトゲームで行われるあらゆる略奪が以下の条件で行われる限り罪に問われません。

 条件その一:ゲームマスターは一対一の決闘で雌雄を決する。

 条件その二:ゲームマスターが決闘している間はあらゆる略奪可(死傷不問)

 条件その三:参加者側の男性は決闘が続く限り体力の消費を倍加する(異例有)

 条件その四:主催者側ゲームマスターが敗北した場合は条件を反転。

 条件その五:参加者側ゲームマスターが敗北した場合は解除不可。

 条件その六:ゲームマスターはゲームテリトリーから離脱すると強制敗北。

・終了条件

 両陣営のゲームマスターの合意があった場合にのみ戦争終結とする。

 ゲームマスターが死亡した場合、生き残ったゲームマスターの合意で終結

 

『Jack the monster』

・参加条件

 幼子の殺傷歴がある者

 幼子を利用し悪徳を働いた者

・参加者 混世魔王(ゲームの妨害をするものは殺害可)

ゲームマスター ジャック・ザ・リッパー

・勝利条件

 その一:主催者”パンプキン・ザ・クラウン”の打倒。

 その二:歴史を紐解き、”ジャック”の謎を解け

・敗北条件

 その一:参加者はゲームマスターに殺されると敗北。

 その二:ゲームマスターは己が何者かを暴かれる度に力を失い、最後は敗北する。

 

『In the sea of stars dragon』

星の海を渡る者よ。汝が求める扉を選び、その証を示せ。

 第一の門:初めの星は多くの星を出産し、次々と新しい星を生み出した。

 第二の門:星は星と弾け合って新しい星の血肉へと変わる。

 第三の門:やがて訪れる新しい時代が星に春を呼び込むだろう。

 第四の門:星の大地には穂波が揺れ五穀の神はそれを祝う。

 第五の門:大地の脈動が新たな水を引き、最盛を迎えるであろう。

星の海を渡る者よ。二つの髭は指針である。髭なくして海は渡れない。

星の海を渡る者よ。心せよ。

星の地図を紐解けば、星の海は三つに砕けるだろう。

凶星は輝くことを望まず、災厄を縛りこの地に眠り続ける。

願わくば永久の眠りであらんことを。

TIPS

《フォモールの巨人族

フォモール族は、アイルランド神話に伝わる巨人族

山羊や馬、牛などの頭を持った獣面の蛮族として描かれる事が多く、インデッハや邪眼のバロールといった王に率いられました。 太古からアイルランドに棲みついており、西方から訪れた種族の侵入を再三にわたって阻んでいます。巨石を苦もなく扱い、人喰いの怪物とされます。

《山羊のアルマテイア》

アマルテイアは、ギリシア神話に登場するゼウスの育ての親

彼女は時に山羊として表現され、クレータ島のイーデー山の洞窟で幼いゼウスに乳を与えたとされます。

この山羊は角の片方が折れており、アマルテイアはその角に花と果物を満たしてゼウスに捧げたとされます。ゼウスはそれを山羊と一緒に星々の間に置き、山羊は最初のユニコーンになったと言われています。

《イージスの楯》

イージスとは、ギリシア神話に登場する防具。主神ゼウスのものとも、ゼウスが娘の女神アテーナーに与えたものともされます。ありとあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持ちます(ゼウスの防具とされる際は、天空と雷の神である彼の性質から雲の象徴ともされます)。鍛冶神ヘパイストスによって作られたとされ、形状は楯であるとも、肩当てまたは胸当てのようなものであるとも、山羊・アマルテイアの皮が張られているとも言われます。

6巻ネタバレレビュー

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