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《内容ネタバレ》「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」2巻をレビュー!!

竜ノ湖太郎先生の問題児シリーズについて、2巻をレビューしていきます!

問題児たちが異世界から来るそうですよ?」~あら、魔王襲来のおしらせ?~について、内容のネタバレと考察をしていきます!

※2巻のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? あら、魔王襲来のお知らせ? (角川スニーカー文庫)

2巻内容ダイジェスト

"サウザンドアイズ"白夜叉から"火龍誕生祭"への招待状が届くところから、2巻の物語は始まります。創造系のギフトゲームに出場する白夜叉と耀、出店を見て回る飛鳥とレティシア、追いかけっこを続ける十六夜と黒ウサギ、それぞれが火龍誕生祭を楽しみます。

街で問題を起こし、連行された十六夜と黒ウサギ。そこで階層支配者のサンドラと白夜叉から、火龍誕生祭に魔王襲来の兆しがあることを告げられます。

翌日、魔王のコミュニティである"グリムグリモワールハーメルン"からのギフトゲームが突如宣告され、白黒斑模様のワンピースを着た魔王の少女、軍服のヴェーザー、白装束のラッテンが誕生祭を急襲します。

ペスト、ラッテン、ヴェーザーの中から本物のハーメルンを見つけ出さない限り、魔王の少女黒死病(ペスト)により多くの死人がでるゲーム。更に魔王ペストは世界で8,000万人の死者を出した死病で、かつハーメルンの逸話と関連させたことで神格を得ていました

飛鳥は祭りで出会った幼い精霊より"神珍鉄"を使ったオートマタ「ディーン」を受取って参戦し、ラッテンを撃破。また、十六夜も神格化したヴェーザーを撃破します。最後に黒ウサギから渡された勝利の槍を飛鳥が投擲し、ペストを消滅させることに成功します。

グリム童話などの伝承をモチーフに利用

前巻の1巻でも少し伝承などが出てきていましたが、2巻では更にその傾向が強くなってきました。元々グリム童話は好きでしたので、楽しく読ませていただけています。考察とか分析を根深くできそうな作品ですので、じっくりと設定含めて楽しみたい読者にはオススメな作品です。

ただ、かなり概念的な設定も多いため、複雑すぎる設定を嫌う方の場合は離れていってしまいそうな印象を受けました。

個人的には好きなので、何度も読んで解釈などについて考えていきたいと思います。

ゲーム要素が若干減少傾向?

1巻よりもゲーム性が少し失われた印象がありました。今回は敵との戦闘のため、敵のルーツを考察する必要がありましたが、あまりゲーム的な戦略などは見られなかったのが少し残念でした。頭脳戦というよりも魔術戦のようなイメージといいますか…。

敵のルーツを知ることで戦闘を有利に運べるようになる今回のような展開は、前巻に感じたノーゲーム・ノーライフよりも、とある魔術の禁書目録」やFateシリーズの方が近い印象でした。

TIPS

《三大最強種》

生来の神仏である神霊

鬼種や精霊、悪魔等の最高位である星霊

幻獣の頂点にして系統樹が存在しない、龍種の"純血"

《階層支配者》

箱庭の秩序の守護者であり、下位のコミュニティの成長を促すための制度。

主務は箱庭内の土地の分割や譲渡、コミュニティへの試練など。

《ラッテンフェンガー》

ドイツ語でネズミ捕りの男。グリム童話にある"ハーメルンの笛吹き"を指す隠語でもある。

グリム童話の"ハーメルンの笛吹き"の原型となった碑文は以下の通り。これは実際にハーメルンで起きた事件を示している。

1284年ヨハネパウロの日 6月26日

あらゆる色で着飾った笛吹き男に130人のハーメルン生まれの子供らが誘い出され、丘の近くの処刑場で姿を消した。

《ウィルオウィスプとジャックオーランタンの伝承》

前者は無人の場所で突如青白い火が生まれる現象。後者は彷徨う死者の魂が形骸化された逸話。この二つには共通の逸話が残っている。

『二度の生を受けた大罪人の魂に、名もなき悪魔が篝火を与えた』

伝承では、生前のジャックは二度の生を大罪人として過ごし、永遠に生と死の境界を彷徨うこととなる。それを哀れに思った悪魔が与えた炎こそ、ジャックランタンのランタンから放つ業火。

 

3巻以降はどのような展開になるのか分かりませんが、非常に練られた世界観とストーリーラインだと思いますので、続きを読むのが楽しみです!

3巻ネタバレレビュー

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1巻ネタバレレビュー

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