電撃文庫「リア充にもオタクにもなれない俺の青春」!他サイトレビューをもとに考察!!
以前当サイトで本作は、「全体を通して何が伝えたかったのかが見えず地味な作品」とレビューさせていただきました。
約1ヵ月が経過し、他レビューサイトのコメントも揃ってきましたので、作品について再考察したいと思います。
リア充にもオタクにもなれない俺の青春って?
ISBN 978-4-04-865953-6
リア充は読むな! オタクも読むな!これはどちらにもなれない「俺」たちの青春ストーリーだ!
Amazonカスタマーレビュー(2017/10/3時点)
Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: リア充にもオタクにもなれない俺の青春 (電撃文庫)
高評価
・主人公と共に未知の地を探検しているような面白さ
・ラスボスとの緊迫感溢れるシーン
・ウェーイさんのスーパー共感力が神々しい
・自分の居場所を見つけられないことを赤裸々に描けている
・「リア充」と「オタク」に大した違いはないと言っている点
・オタク文化が認められている風潮が面白い
低評価
・定義があいまいな「リア充」と「オタク」をテーマにした割に、ありきたりなことしか描かれていない
・「リア充」と「オタク」がテーマのクラスカースト系作品を読んだことがある人は買う必要なし
・低年齢層でなく年齢高めの世代に向けたレーベルで出した方が良い
・文章が微妙
・キャラクターがテンプレートすぎる
評価を見たところ、低年齢層よりも「オタク文化」がまだ浸透していなかった高年齢層が本作を新鮮に感じられている印象。ただ、クラスカーストを題材にした作品は数多く出ており、それらと比較してしまうと没個性なのかと感じました。
「リア充」と「オタク」のどちらにしても、集団の中での異端者は生きづらい。なので同調圧力に反抗する勇気を持とうという作者のメッセージが本作のテーマとなるのでしょうか。
「リア充」と「オタク」の類似性という面白いポイントを切りこまれていましたが、結局テーマが反同調圧力というクラスカーストものによくある形だったので、私は「地味」だと感じたのかもしれません。
読書メーター(2017/10/3時点)
読書メーターには29件のレビューが投稿されていました。
リア充にもオタクにもなれない俺の青春 感想 弘前 龍 - 読書メーター
高評価
・物語の先を読みたい
・最近の学校はこんな感じかと興味が出た
・オタヒメさんの感情描写が良かった
・今でないと成立しないストーリーが良かった
・全体的にアンニュイな雰囲気が良い
・ウェーイさんが儚げ
・半同調圧力というテーマは分かりやすい
・「オタク」と「リア充」両方の良い面と悪い面が書かれている
・心理描写に見ごたえがあった
低評価
・物語の重要な部分でラブライブと艦これネタを使っていてモヤモヤ
・シリーズ化は難しそう
・主人公がナチュラルに「リア充」「オタク」両方を見下している点で好感が持てない
・ストーリーが微妙
・ラストの解決方法が別のトラブルを招きそうで心配になるレベル
・何も残らず平凡な印象
過去の「オタク」から今の「オタク」までの推移を見てきた世代が本作を読むことで、色々刺激をうけられる様子です。逆に現役の学生世代はいまいちピンとこない感じでしょうか。全体的に落ち着いた雰囲気で文章が書かれているのも、高年齢層に好感触な理由なのかもしれません。最近の作品はモノローグがコメディ寄りになっているものが多いですし。
ただ、反同調圧力という捻りのないテーマと、テンプレートなキャラクターたち。また、クライマックスの微妙な解決方法などストーリーは、コメントを見る限り改善が必要だという印象です。複数の方々がストーリー部分について低評価な印象を持たれていました。
本作は、クラスカースト系作品をあまり読んだことがない、高年齢層のライトノベル読者が読むと面白い作品の可能性があります。…世代や経験が読むために必要な作品は、複数のレビューを見ないと分からないので難しいものなのだなと感じます。
以上、本作は意外と「読む人を選ぶ本」であるということが分かりました!
今回も長文をお読みいただきましてありがとうございました。