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〈試読レビュー〉MF文庫J新作「僕の知らないラブコメ」!!

MF文庫J新作「僕の知らないラブコメ」!

公式の試し読みについて、レビューさせていただきます。

僕の知らないラブコメって?

僕の知らないラブコメ (MF文庫J)

著者:樫本燕

イラスト:ぴょん吉

みんなは近いうちに逃げ出したくなるような嫌なことってある?

あるよね、きっと。明日になっちゃえばいいのにって思うようなそんな時。僕、芦屋優太はそんな時間を早送りできる能力を手に入れたんだ。これでもう勉強や揉め事、全ての嫌な時間から逃げることができる。やったね!

そうして早送りしながら日々を過ごしてたら知らないうちに彼女が出来ていた! しかも相手はあのクラスの問題児、柳戸希美だって? 僕は怯えながらも付き合い始めたんだけど、意外にも柳戸はとても優しくて、そしてとても可愛くて……。どうして柳戸はこんな僕のことを好きになってくれたんだ……?

え、このラブコメ、僕だけ知らないの? 第13回MF文庫J新人賞最優秀賞受賞作!

平凡な男の子と不良美少女のラブコメ作品

本作の主人公は、少し怠惰な印象はあるものの、平凡な男子高校生である芦屋優太。授業中も居眠りばかりの彼は、ある日”時間を早送りできる”能力を手にします。

ヒロインの柳戸希美は、入学早々停学処分になっていた、学校きっての問題児。クラスメイト達からも距離をとられており、基本的に一人で行動しています。主人公の優太は、ちょっとしたキッカケで彼女と会話することになり、二人はお互いを認識するようになります。

付き合った経緯が不明な物語

優太の”時間を早送りにできる”能力は、使用すると時間を飛ばせるものの、その間の記憶が一切なくなるという欠点があります。1回の使用で数か月の時間を跳躍することもあり、非常にリスクの高い能力となっています。

優太は、目の前に”早送りしたい現実”がやってきた時に能力を使用したことで、時間を跳躍してしまいます。気が付いた後の周囲の環境は一変しており、彼は失われた数か月の間に何があったのかを探し求めます。

都合が良すぎるヒロイン達との出会い

特に大きな特徴のない主人公の優太ですが、日常生活を普通に送っているだけで、美少女たちと次々に出会っていきます。あまりにも都合が良すぎるため、少し冷めてしまうような印象がありました。主人公とヒロイン達の出会いについて、もう少し現実味を持たせた内容の方が良かったかと思います。

また、ラブコメ作品ですが、試読部分についてはコメディ要素も薄かったように感じます”時間を早送りする”という特殊な設定と、セクシーなイラストの二点に特化した作品のようです。

 

以上、MF文庫J新作「僕の知らないラブコメ」について試読部分のレビューをさせていただきました。

”時間を早送りできる”という設定は特殊ですので、その点については従来のラブコメ作品にはない新鮮な内容となっています。ただ、”結果”が先に出てしまう「振り返り型」の為、ヒロインが誰になるか等の盛り上がりには欠けてしまう作品なのかもしれません。

今回も長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。