角川スニーカー文庫「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」シリーズの魅力をご紹介!!
角川スニーカー文庫「問題児たちが異世界からくるそうですよ?」!
”問題児シリーズ”第一部の魅力をネタバレなしでご紹介。
問題児たちが異世界から来るそうですよ?って?
著者:竜ノ湖太郎
イラスト:天之有
世界に飽きていた逆廻十六夜に届いた一通の招待状。
『全てを捨て、“箱庭”に来られたし』と書かれた手紙を読んだ瞬間―完全無欠な異世界にいました!そこには猫を連れた無口な少女と高飛車なお嬢さま、そして彼らを呼んだ張本人の黒ウサギ。ウサギが箱庭世界のルールを説明しているさなか「魔王を倒そうぜ!」と十六夜が言いだして!?そんなこと黒ウサギは頼んでいないのですがっ!!超問題児3人と黒ウサギの明日はどっちだ。
設定厨と裏読厨は特にハマるシリーズ
本作のキャラクターたちは、世界各地の伝承、神話、宗教などをモチーフにしており、その能力やスタンスにも大きく影響しています。
更に、”ギフトゲーム”と呼ばれる”箱庭”特有の勝負方法についても、神話や伝承などを把握していることが勝利の鍵となるため、ストーリー全編に渡って非常に重要な要素となっています。
伝承、神話、宗教の逸話に詳しい読者であれば、竜ノ湖先生が本文中に示す”ヒント”によって、黒幕やストーリーが推測でき、裏読厨の方にはたまらない作品になっている印象です。
竜ノ湖先生の独自の設定も多く存在し、問題児シリーズの第一部全てを読んだとしてもまだ分からない”設定”が多いですが、それらを予想しながら読者同士で議論するのも楽しいかと思います。
敵も味方も魅力的なキャラクターばかり
問題児シリーズに登場するキャラクターたちは、実在する伝承などをモチーフにしているため、登場した時点である程度のキャラクター性は想像可能です。更に竜ノ湖先生の丁寧な人物描写が加わることで、非常に魅力的で独自性の高いキャラクターたちに描かれていると思います。
また、敵キャラクターについても非常に魅力的に描かれることが特徴的で、”敵としての信念”を感じられるように描かれているのも良い点だと感じます。
コメディとシリアスの絶妙なバランス
基本的にコメディタッチで進行する物語ですが、強敵などが出現すると一転シリアスモードに切り替わります。
まずストーリーは先が気になり、非常に面白い内容になっています。その上でコメディパートで笑い、シリアスパートでドキドキハラハラするという作品。
また、本シリーズは、同時に複数の場所でイベントが発生し、各所のシーンを小刻みに切り替えながら描写していくスタイルです。目まぐるしく切り替わるシーンには緊迫感があり、クライマックスが近付くにつれて、全てのシーンが一つの決着に向かっていく様は非常に読みごたえがあります。
以上、ストーリー及びキャラクターが魅力的な”問題児シリーズ”第一部の魅力を紹介させていただきました。
今回も長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。
1巻ネタバレレビュー