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《内容ネタバレ》「大伝説の勇者の伝説」17巻をレビュー!!

富士見ファンタジア文庫大伝説の勇者の伝説」シリーズ!

17巻の内容についてネタバレと考察をさせていただきます。

※17巻のネタバレを含みますのでご注意ください。

大伝説の勇者の伝説17 団子娘の出す答え (ファンタジア文庫)

17巻内容ダイジェスト

エリス家の道場、フェリス・エリスは自分を守って死んでしまった兄ルシルについて、想いを馳せます。

ライナはエリス家の道場を訪れ、フェリスに想いを伝えます。お互い男女の機微には疎く、話は頻繁に脱線しますが、二人は結婚することに。キスをして想いを通わせ、これからのことについて語ります。ルシルにより能力の上がった「複写眼」で、ライナは「未来眼」の術式を解析し、この術式が作られた意図を探りますが、現段階では何も分かりません。

・ライナが愛に飢えていれば、世界はあと十年でリセットされる。

・ライナが愛を得て安定すると、世界の理を壊してしまう。

 ライナとフェリスが結婚することを祝福するシオン。二人は、今のような穏やかな時間が続けばいいと願い、そうなるように進むことを決意します。

ライナが「未来眼」で視た未来について、ガスタークと「王立魔導研究所」カショク・カシャが協力して解析を実施。彼らをローランドに集め、情報共有を図るシオンとライナたち。当事者意識に欠けているように振舞うライナにあきれつつも、優秀な仲間たちによって議論は進められていきます。ライナは第一位魔導研究者として「王立魔導研究所」のカシャたちと共に、研究を進めることになります

数か月が過ぎ、研究と結婚の準備を進めるライナ。ローランド帝国、ガスターク帝国、スフェルイエット民国の三ヵ国同盟軍は、ライナを中心に魔法体系と情報を交換し、魔導軍事力自体を跳ね上げます。モノによっては「忘却欠片」の能力も超えた魔法も完成し、順調に連携は進みます。

結婚式前日、ライナはシオンの部屋を訪れ、シオンも友人として迎えます。そこへドレスを着たフェリスが現れ、ライナはフェリスの美しさを褒めます。一人、逆方向を見ていたフェリスは、シオンの傍に”女神”が現れたのを発見し反撃。波状攻撃を掛けて、シオンかフェリスの命を奪おうとする女神たち。シオンを逃がすことには成功しますが、フェリスはライナを庇って背中に致命傷を負います。フェリスは、自分がいない世界でも”生きろ”とライナへ伝え、息絶えてしまいます。

ライナは、フェリスの剣に父であるリューラ・リュートルーが使う魔術式”柄の部分の団子シール”を発見。

「……ああ、俺は、俺は絶対、あきらめないぞ」

”団子シール”の謎と物語の終わり

あとがきにも記載されていた通り、ラスト二冊のうちの一冊が刊行されました。展開はいつも通りゆっくりとしていましたが、物語もクライマックスに差し掛かり、とうとうフェリスが…の引きで終わりました。最終巻は来年2018年中には刊行されると信じて、待ちたいと思います。

本当にフェリスは死んでしまうのか?リューラが、息子の大切な人に遺した”魔法”はどんなものなのでしょうか。

セオリーだと、発動することでフェリスが”助かる”術式だとは思うのですが…。どんな結末にしろ、続きが気になる終わり方でした。

TIPS

《ニンゲンα》

”勇者”を保有しているものの傘下に納まると、”ニンゲン”は”ニンゲンα”になり、”勇者”の力を増大させる存在に変化します。

《世界の終わり》

この世界は”勇者”か”女神”のどちらかが終わらせることになっています。”ニンゲンα”が増えると”勇者”の力が強くなり、”女神”を皆殺しにして、世界ごと破壊します。また、”ニンゲンα”が足りないと、最後は”女神”に”勇者”が喰い殺され、世界はそのまま”女神”に食いつぶされます。

《魔法の発動》

”勇者”や”女神”が”ニンゲン”及び”ニンゲンα”をエネルギーにするように、人間は宙空に充満している精霊を動かして、お互いに食いつぶしたり、連鎖させたりしながら魔法陣を描いて発動する仕組みになっています。

《司祭》

神のような存在で、ガスターク側の後ろ盾となっていました。”女神”や”勇者”よりも更に高次の存在として振舞っている態度であり、文献も残っているといいます。つまり、”司祭”という存在が”世界の終わり”を回避する為の敵なのかもしれません。