ソク読みライトノベル

ライトノベルレビューの専門サイト

《内容ネタバレ》「ラストエンブリオ」4巻をレビュー!!

竜ノ湖太郎先生の問題児シリーズ第二部となる「ラストエンブリオ」!

今回は4巻となる「ラストエンブリオ王の帰還~」についてレビューします。

※4巻の内容ネタバレを含みますので、ご注意ください。

ラストエンブリオ4 王の帰還 (角川スニーカー文庫)

4巻内容ダイジェスト

精霊列車で主権戦争の第一舞台”アトランティス大陸”へ到着した焔たち。白夜叉からギフトゲームについて解説があり、黒ウサギが補足。”出資者”と呼ばれる後援コミュニティには”代行者権限”が付与され、プレイヤーを援助することが可能とのこと。焔たちには"クイーン・ハロウィン”がスポンサーで付いている為、女王の援護を受けることが可能です。また、一回戦の陣形は、前衛にアルジュナと彩鳥、後衛に鈴華と焔で、アステリオスは後衛二人の護衛に付く形に決定しました。

そんな中、彩鳥が焔へ十六夜から連絡が入っていることを伝えに来ます。十六夜は焔へ、アマゾン樹海で星辰粒子体の実験体を確認し保護したこ、今は箱庭に召喚されていることを伝えます。アトランティス大陸で落ち合う約束をした二人は、それぞれ行動を開始します。

一方、アトランティス大陸アルビノの少女を保護している十六夜。プリトゥは、十六夜が以前、黒人アルビノの生産・売買組織を潰した話を聞き出します。十六夜は、その組織を潰した際一人の黒人アルビノの少女”イシ”を救い出し、彼女の命がもった十日ばかりの時間を共に過ごして”親友”となったこを話します。

アトランティス大陸の原住民たちに出会い、アルビノ少女の休む場所の提供を依頼した十六夜たち。原住民たちの集落で、パラシュラーマと再会した十六夜。彼女は細かい傷を負っており、その傷は”詩人”オルフェウスに付けられたものでした。オルフェウス十六夜に、夜までは時間を与えると伝え、それでも邪魔をする場合は全力でアルビノ少女を確保すると脅します。

集落でアルビノ少女を治療する焔と合流。彼は女王の”代行者権限”で空間跳躍し、早々に駆け付けてくれたそう。焔との会話で、ヘラクレスの”石柱”は”石碑”であることに気付き、ゲームのスタートラインに立ちます。

アルビノ少女の背後にいた組織について話し合う焔と十六夜十六夜は、敵の狙いは”環境制御塔”の早期建築である可能性を示唆します。また、星辰粒子体の原典は、日本近郊の海底、メタンハイドレート帯に存在していると予想十六夜は焔に、星の大動脈決壊・”破局的大噴火”の存在をしっているか尋ねます。

焔が答える前に、オルフェウス”アヴァターラ”第八の化身・聖仙クシュリナが出現。クシュリナは”ヘラクレス”の身体を乗っ取り顕現しています。クシュリナたちは、アルビノ少女の死体がなければ、十五年後に破局的大噴火によって人類は滅びることを説明。アルビノ少女の死体を使って粒子体研究を加速させ、完成される”環境制御塔”が、破局的大噴火を抑える鍵になっていると話します。

クシュリナはカルキに敗北したものの、ウロボロス”の創始者であることが判明。特殊な精神性のクシュリナに、十六夜と焔は説得を諦め、代案の提示を検討します。パラシュラーマとクシュリナに疑問を持ったオルフェウスが時間を稼ぐ中、十六夜たちは検討を続けていると、アルビノ少女の体内B.D.Aがメルトダウンを開始。焦った十六夜たちは、星辰粒子体の適合率が高い自分たちがB.D.Aを使用して、アルビノ少女の体内の粒子エネルギーを消費する策にでます。

B.D.Aを起動し、三頭龍の化身となった焔はクシュリナを圧倒。一方、自我を失ったヘラクレスを抑えるパラシュラーマとオルフェウス側には、十六夜が助太刀に入ります。”Override with Another crown”十六夜の体を疑似発光が包み込み、第六宇宙速度ヘラクレスを撃破します。

B.D.Aを使用してアルビノ少女を救ったことで、世界は”救済”の方向に向かいつつあることを三頭龍から聞いた十六夜。以前撃退した”退廃の風”も依り代を得て現れようとしている今、三頭龍は歴史の修正者として顕現しているとのこと。三頭龍は、十六夜大陸の謎を解くように指示し、焔への憑依を解除します。

”絶対悪”アジ=ダカーハの正体とは?

アジ=ダカーハは”絶対悪”の存在であり、その正体は”星辰粒子体”を使い世界を滅ぼす可能性を持つ者”西郷焔”

”星辰粒子体”を得た権力者たちが暴走して世界が滅びるため、権力者=”絶対悪”とも考えられるが、結局はただの加害者。

”人類が人類を滅ぼす”ため、絶対悪は”人類の全てに復讐する権利を持つ者”である必要があります。焔の理想は”人類の原罪”の前には貧弱であり、復讐者となる要素を多分に含んでいるとのこと。

B.D.A起動時の焔の夢

B.D.Aを起動した際に描かれた焔の夢には、五体の怪物が登場します。暗雲に蠢く偶蹄の王、死眼の巨人、八つの顎で波風を荒れ狂わせる龍王、金毛を靡かせながら慚愧に顔を伏せる猿神、三つ首の魔龍

「ミリオン・クラウン」では十二体の王冠種が存在し、七体が判明。しかし、焔の夢に出てきた五体は、前述の七体とは別物のため、この五体がミリオン・クラウンで明かされていない王冠種の可能性は高いです。

ただ、三つ首の魔龍”アジ=ダカーハ”は、既に判明している七体のうちの”悪王”ヴァリトラに該当する可能性がありますので、一体は依然不明です

ギフトゲーム詳細

『太陽の主権戦争~失われた大陸編~』

※太陽主権入手条件

①参加者同士の任意譲渡(ゲームによる自由対戦を含む)

②別紙の大陸地図に記載されたゲームを解き明かし進めよ。

③尚且つ、最も神魔の遊戯に相応しい行動をした者に授与。

後日記載

※大陸内禁止事項欄

①参加者はアトランティス大陸から脱出してはいけない。

②参加者が脱出を試みる場合は勝利条件の謎を解く必要あり。

③参加者は大陸内で参加者を殺害してはならない。

※大陸の上陸順番について

精霊列車内で最も多くのゲームで勝利した者は上陸する場所を選択できる。

上陸した者は各自の判断・自己責任で開催期間である二週間を過ごして良い。

※第一回戦勝利条件

幾重に重なり合った星を辿り、古き英雄を訪ね、大父神宣言の謎を暴け

アトランティス大陸・主要な地域》

東の”サントリーニの迷宮”

北の”牛飼いたちの放牧場”

南の”オレイカルコス鉱山”

西の”ヘラクレスの石柱”

TIPS

《アストラ》

西欧圏のラテン語で”星・新星”を示し、インド圏のサンスクリット語では”兵器”を意味する言葉。西では”新星”、東では”兵器”として使用されるダブルミーニング。両方を組み合わせると「星の兵器」となる。

Nec Plus Ultima

起源はジブラルタル海峡付近にあるヘラクレスの石柱と関係。「この先には何もない」という意味。

《アストラルナノマシン

地獄の窯、星の巨釜より現れ人類を救う鍵。架空粒子、エーテルの顕現に必要な多元運動量を放出する最高効率のエネルギー粒子。第三永久機関

《不倶戴天》

十六夜が挑むべき存在。三頭龍曰く「人類を滅ぼす最後の要因。人類以外の全ての外敵を滅ぼした以上、人類が最後に立ち向かうのは”人類の悪性”そのものに他ならない。」

焔の建てる環境制御塔が、人類が星の全ての概念を修めた証。此れにより人類は万能を謳い始め、最後の魔王が人類の悪性を糧に育ちます。

 

以上、4巻のネタバレと考察を記事とさせていただきました。

今回も長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。

3巻ネタバレレビュー

tino-review.hatenablog.com