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オーバーラップ文庫「灰と幻想のグリムガル」シリーズの魅力をご紹介!!

オーバーラップ文庫灰と幻想のグリムガル」シリーズについて、ネタバレなしで魅力をご紹介!

灰と幻想のグリムガルって?

灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ (オーバーラップ文庫)

著者:十文字青

イラスト:白井鋭利

おれたち、なんでこんなことやってるんだ……?

ハルヒは気がつくと暗闇の中にいた。何故こんなところにいるのか、ここがどこなのか、わからないまま。周囲には同じように名前くらいしか覚えていない男女、そして地下から出た先に待ち受けていた「まるでゲームのような」世界

生きるため、ハルヒロは同じ境遇の仲間たちとパーティを組み、スキルを習い、義勇兵見習いとしてこの世界「グリムガル」への一歩を踏み出していく。その先に、何が待つのかも知らないまま……

これは、灰の中から生まれる冒険譚

異世界の圧倒的な緊張感と絶望感

元いた世界の記憶もなく、いきなり異世界へと放り出される主人公たち。最初はお気楽なムードも漂っていますが、物語が進むほど、圧倒的な異世界のリアリティと絶望を感じることができる作品です。

弱いモンスターとされる”ゴブリン”でさえ、主人公たちが5~6人で戦ってやっと勝てるような世界。他の作品ではあっさり勝てるようなモンスターでも、必死に生き延びようと主人公たちのパーティーへ襲い掛かってきます。

次のページでは、モンスターに誰かが殺されてしまうんじゃないのか?と常に緊張しながら読み進めなければならない、緊張感と絶望感溢れる作品です。

儚く魅力的なキャラクターたち

非常に過酷な世界を生き抜くキャラクターたち。常に死と隣り合わせの冒険に突如として駆り出された思春期の男女は、何を考えて、どのように生きていくのか。

一人ひとりのキャラクターが、目の前の事実に向き合い、未熟ながらも自分の足で前に進んでいく姿は、是非見ていただきたい作品の魅力の一つです。

また、本作の場合、敵キャラクターも非常に魅力的です。人語を話せないゴブリンやオークたちでも、狡猾に戦略を考え、効果的に義勇兵たちを苦しめます。彼らも必死にグリムガルという厳しい世界を生き抜いており、”命”を感じさせてくれるキャラクターです。

幻想的で美しい世界

シリーズ全体を通して、どこか儚く幻想的な雰囲気が漂う本作

最初の項目で紹介させていただいた”リアリティのある緊張感と絶望感”の土台として、”幻想的かつ美しい異世界”があり、その共鳴によって”物悲しさ”が物語全体に広がっているのだと思います。

独特な世界観で文章にクセのある先生ですが、一度読み始めると抜け出すことのできない強い引力を持った作品だと思います。

 

以上、ネタバレなしで「灰と幻想のグリムガル」を紹介させていただきました。

作画はかなり違いますが、アニメ化もされていますので、気になった方はまずアニメから入っていただいても良いかと思います。

今回も長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。