ソク読みライトノベル

ライトノベルレビューの専門サイト

《内容ネタバレ》「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」11巻をレビュー!!

竜ノ湖太郎先生の問題児シリーズについて、11巻をレビューしていきます!

問題児たちが異世界から来るそうですよ?」~撃て、星の光より速く!~について、内容のネタバレと考察をしていきます!

※11巻のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く! (角川スニーカー文庫)

11巻内容ダイジェスト

空中城塞・作戦会議室。東の階層支配者”蛟劉”、南の階層支配者”サラ=ドルトレイク”、北の階層支配者”コマンダーラプ子Ⅲ”、鵬魔王”迦陵”、女王騎士”フェイス・レス”、十六夜、クロアはアジ=ダカーハの攻略について会議を開始。

”神が先なのか、人が先なのか”という”Bootstrap Paradox”。人類と神霊が相互観測者であるのに対し、”人類最終試験”は人類全てを滅ぼす要因。北欧ではラグナロク、インドではカリ=ユガと呼ばれる世界の終焉”終末論”。アジ=ダカーハという存在について、意識共有を進めます。

一方、天使を召喚して自身は球体に閉じこもったマクスウェル。殿下たちは、マクスウェルの悪魔自身が第三永久機関でないものの、新たな永久機関を作る上で不可欠な要因”人工ナノマシン”として霊格を授かっていると予測。そんな根回しが可能な”ウロボロス”の裏に存在する神群にリンが辿り着こうとしたところで、”幻想魔導書群”の伝説の魔王が現れます。伝説の魔王は、リンの師匠であり、殿下の制作者でもある様子。リンたちを人質にし、殿下にアジ=ダカーハと戦うように指示します。

空中城塞の厨房。アルマと黒ウサギは、飛鳥のルーツについて意見を交わします。アルマによると、飛鳥は元”ノーネーム”の構成員が外界へ飛ばされ、その子孫である可能性があるとのこと。十六夜、耀に加えて、飛鳥も”ノーネーム”との関係性が見えてきました。

決戦の時、三頭龍は静かに敵の襲撃に備えます。”ペルセウス”の長・ルイオスの恩恵を駆使した潜入により、三頭龍への奇襲は成功。続いて、耀、フェイス・レス、ジャックも追撃します。三頭龍に血を流させることに成功した奇襲班は一旦下がり、分身体に備えます。分身体が生まれたところに、千体以上の火龍が気焔を放出し殲滅。ヒットアンドアウェイ戦法により、三頭龍の分身体ストックを削っていきます。

三頭龍に対して攻勢を強める中、サラのギフトゲームを三頭龍がクリア。戦闘が一時中断となり、サラは恩恵の授与のため前線へ。更に、戦闘が停止しているタイミングで、三頭龍はジャックのギフトゲームもクリア。サラは霊格の全てを奪われ無力化し、ジャックは敗北による多大なダメージを受け、瀕死の重傷となってしまいます

アジ=ダカーハの恩恵”アヴェスター”は、敵の神霊の性能をそのまま自身に上乗せすることが出来る”疑似創星図”。多数の神霊たちがアジ=ダカーハを攻めたとしても、その分三頭龍も強化されるというチート恩恵。ただ、人類はその恩恵の対象とはならないため、アジ=ダカーハは”人類の未来を救う英雄”に打倒される運命にあるとのこと。

十六夜はクロアと共に、強襲してきたマスクウェルと戦闘。クロアの空間跳躍と十六夜の極光の柱を使い、殲滅に成功します。

アジ=ダカーハは恩恵”覇者の光輪”により、空中城塞を攻撃しようとします。狙いを悟った耀は、神霊・ケッツァクアトルの力を顕現させて対抗。殿下の助けもあり、何とか三頭龍の”覇者の光輪”を防ぎます。必殺の技を防がれた三頭龍は耀を脅威とみなし、影の翼で攻撃するも、”魔王”として覚醒したジャックに阻まれます。星辰体となった魔王ジャックは、同じく星辰体となった三頭龍と衝突。自身は消滅するも、三頭龍の弱点である心臓をむき出しにしました

十六夜たちは、その様子を見て最終作戦を開始。レティシアは”主催者権限”を使用して黄金の巨龍となり、蛟劉は月龍と一体化してアジ=ダカーハへ決戦を挑みます。月龍と太陽龍の同時攻撃に加え、黒ウサギの”疑似神格・梵釈槍”の第六宇宙速度を叩き出す攻撃も躱す三頭龍。しかし、十六夜が槍を掴んで軌道を変更。アジ=ダカーハの心臓へ槍を突きさすことに成功します。

勝利を噛みしめる主催者たちとは対照的に、何故か悔恨の声を上げる十六夜。アジ=ダカーハ戦は、彼にとって完全なる敗北の経験となりました。

最高の魔王の死

”ウィル・オ・ウィスプ”のジャック。耀にとっては、箱庭に来てから初めて敗北した相手であり、数々の戦場をともにした戦友でもある彼が、最終決戦で仲間を助けるために命を落としてしまうという展開

昔のジャンプなど、少年漫画でよくあった展開ですが、最近は意外と見ていなかったように思います。仲間を助けるため、”魔王”に身を堕とし、散っていく姿はカッコイイことこの上ありませんでした。

本編のラスボスであるアジ=ダカーハも、敵ながらジャックの生きざまに敬意を表しており、敵も味方も魅力的なキャラクターで溢れた作品となっています。

TIPS

《カリ=ユガ》

カリ=ユガは、インド哲学において循環すると考えられている四つのユガのうち、最後の段階を指します。他の3つはサティヤ・ユガ、トレーター・ユガ、そしてドヴァーパラ・ユガです。

《アヴァターラ》

ヒンドゥー教において、アヴァターラとは、不死の存在、または究極に至上な存在の「化身」「権現」を指します。これはサンスクリットで「低下、転落、降下」を意味し、通例特別な目的の為に死のある者への意図的な転落を意味します。ヒンドゥー教ではこの語を主に救済の神ヴィシュヌの化身へ使います。

ヴィシュヌは世界が混沌に陥ったとき「維持者・守護者」として顕現すると言われ、”殿下”の正体として有力だと思われます。

ラグナロク

ラグナロクは、北欧神話の世界における終末の日のこと。 古エッダの『巫女の予言』、『フンディング殺しとヘルギ その2』、『アトリの言葉』、『バルドルの夢』では「神々の運命」とも言われています。

《NBCR兵器》

大量破壊兵器の略語。人間を大量に殺傷すること、または人工構造物(建造物や船など)に対して多大な破壊をもたらすことが可能な兵器のことを指し、典型的には特に生物兵器化学兵器核兵器放射能兵器の4種類を指すものとして用いられます。これらはそれぞれの英語の頭文字を取り、ABC兵器NBC兵器、NBCR兵器などと総称されています。

12巻ネタバレレビュー

tino-review.hatenablog.com

10巻ネタバレレビュー

tino-review.hatenablog.com