《内容ネタバレ》「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」10巻をレビュー!!
竜ノ湖太郎先生の問題児シリーズについて、10巻をレビューしていきます!
「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」~そして、兎は煉獄へ~について、内容のネタバレと考察をしていきます!
※10巻のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
10巻内容ダイジェスト
”煌焔の都”は”境界門”が破壊され、大混乱のさなかにあります。”生命の目録”の力を使い切り足が動かなくなった耀の元へ、”魔王マクスウェル”が来襲。ウィラへの人質とされてしまいます。ウィラと耀を救おうとした飛鳥と黒ウサギは、マクスウェルの空間跳躍によりどこかへ飛ばされてしまい、自身の無力を嘆き、絶望しかける耀ですが、”龍角を持つ鷲獅子”、”クイーン・ハロウィン”の援軍により、何とかマクスウェルを撤退させることに成功します。
一方、アジ=ダカーハと戦う十六夜のもとにも、”ウィル・オ・ウィスプ”のジャック、東の階層支配者である蛟劉、吸血鬼の王レティシア、女王騎士フェイス・レス、大鵬金翅鳥の姫である迦陵の五人が加勢。サラ、ジャック、蛟劉の三人は同時に”主催者権限”を発動して、三頭龍をギフトゲームに引きずり込みます。全員の波状攻撃を仕掛けるも、三頭龍は無傷。逆に反撃を受けたジャックが重症となり、一旦撤退して態勢の立て直しを図ります。
三頭龍との闘いとは別に、ジンやリンたち”ウロボロス造反組”は、マクスウェルとの戦闘を開始。第三永久機関により何らかの恩恵を受けているマクスウェルは強敵で、殿下やリンたちは苦戦。マクスウェルに揺さぶりを掛けるため、リンはウェラにキスをしますが、予想以上に暴走したマクスウェルは天使を降臨させます。
吸血鬼の城・空中城塞。運び込まれた十六夜は、リリたちにより緊急処置を施されます。また、耀は元”ノーネーム”のクロアへ”生命の目録”の復活を依頼。耀の父親の話を後でする約束もして、一旦解散となります。
一方、未開の樹海に飛ばされた飛鳥と黒ウサギ。アジ=ダカーハの分身体である双頭龍が追撃してきます。ギフトカードを落とした飛鳥を守るため、身を挺する黒ウサギ。失っていた帝釈天の恩恵を無理やり発動し、疑似神格の神槍で双頭龍を殲滅します。恩恵の無理な行使の反動で炎に包まれる黒ウサギ。飛鳥は帝釈天への祈りで何とか黒ウサギを救い出し、二人は荒野で気絶します。
舞台は戻って空中城塞。ベットに寝かされていた黒ウサギは目を覚まします。うさ耳が戻ったことに感動しつつ、隣のベットに十六夜がいることに気付きます。お互いの無事を喜び合う二人。部屋を訪れたクロアに誘われて、十六夜はアジ=ダカーハ討伐の為の会議に向かいます。
”ノーネーム”と”ウロボロス”、そして三頭龍との戦いは、最終局面へと進みます。
ギフトゲーム詳細
『GREEK MYTHS of GRIFFIN』
・参加資格
対象が侵略者であること(侵略者の定義は契約書の制作条例に基づくものとする)
・勝利条件
その一:主催者側の”宝の守護者”の打倒
その二:宝の在り処を突き止め、己の勇気を示せ
・敗北条件
その一:宝の破壊(主催者側が故意に破壊した場合、参加者側の勝利とする)
その二:参加者が全滅し戦闘不能になった場合
※ペナルティ条項
その一:参加者側は”宝の在り処”外で主催者側に仕掛けることを禁ず。
その二:参加者側が禁則を犯した場合、主催者側は任意でギフトを一つ封印可。
その三:参加者側が禁則を三度犯した場合、無制限で拘束する。
その四:これらのペナルティは勝利条件が満たされると解除される。
・勝利報酬
その一:参加者は主催者側に任意の報酬を要求可(霊格の限界を超えることは不可)
その二:主催者は参加者側を侵略者として求刑可。
『GROUND COVER on the MOON SEE』
わたしには恥ずかしがり屋の二十八人の兄弟がいる。
彼らが姿を見せるのは夜の帳が下りる頃。
同じ顔の兄弟は、互いを嫌って爪を突き立て呪詛を吐く。
海の水面を揺らしていがみあい、夜明けの露と消えていく。
二人消えては砂を呑み。
四人消えては石を食み。
六人消えては岩を喰い。
八人消えては土を埋め。
十人消えては森が枯れ。
十二人消えては山河を覆う。
十四人が消える頃、天と地にはワタシたちしか残らない。
天地一体を嘆いたワタシは天岩戸を開き、新たな兄弟を招き入れる。
二人招いては山河を造り。
四人招いては森が富み。
六人招いては地を譲り。
八人招いては岩を重ね。
十人招いては石を積み。
十二人招いては砂を流す。
十四人を招く頃、わたしの兄弟は新たな呪詛を吐いていがみ合う。
真に天と地を別たねば新たな夜明けは訪れない。
無貌の私たちを穿ち、輪廻の螺旋を打ち砕け。
TIPS
《ディストピア》
ユートピア(理想郷)の正反対の社会。一般的には、SFなどで空想的な未来として描かれ、否定的で反ユートピアの要素を持つ社会という着想で、その内容は政治的・社会的な様々な課題を背景としている場合が多いです。 ディストピアの語源は、「悪い、困難な」と「場所、風景」の古代ギリシア語を組み合わせたもの。他には、カコトピアや、反ユートピア、あるいは暗黒郷、地獄郷などとも言われます。
《ケーリュケイオン》
ギリシア神話における神々の伝令であるヘルメースの持物です。柄に2匹の蛇が巻きついている杖で、その頭にはしばしばヘルメースの翼が飾られます。長母音を省略してケリュケイオンとも表記され、カードゥーケウスとも呼ばれます。図像は商業や交通のシンボルとして利用されています。
《境界門》
門をくぐるだけで別世界へと移動可能な便利ギフト。この門を通過すると、一旦、星辰体となって空間を移動することが出来ます。
《箱庭の三大問題児》
女王”クイーン・ハロウィン”、魔星”アルゴール”、”サウザンドアイズ”白夜叉の三名の総称。
《南の階層支配者・アヴァロン》
”クイーン・ハロウィン”の直系傘下にある騎士団コミュニティ。円卓の騎士の名と恩恵を襲名制度で受け継いでいます。第四桁のコミュニティでしたが、今は”ウロボロス”により壊滅しています。
11巻ネタバレレビュー
9巻ネタバレレビュー