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《内容ネタバレ》「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」9巻をレビュー!!

竜ノ湖太郎先生の問題児シリーズについて、9巻をレビューしていきます!

問題児たちが異世界から来るそうですよ?」~YES!箱庭の日常ですっ!~について、内容のネタバレと考察をしていきます!

※9巻のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  YES!  箱庭の日常ですっ! (角川スニーカー文庫)

9巻内容ダイジェスト

※9巻は短編集となっています。

箱庭のとある日常

ある日、ギフトゲームが全面禁止となります。原因は干ばつを呼ぶ中国神話の神獣”魃”黄帝の血筋である魃は、陽の光を呼び込み、雨風を消し去る力を持っています。

魃の偵察に出かけた問題児三人ですが、なんと魃を討伐してしまいました。水樹の恩恵で一儲けしようとしていた黒ウサギは怒るも、実はユニコーンたちを魃から守るためだったことが分かります。お礼に”ユニコーンの角”を受取った黒ウサギは、三人を少し見直しました。

黄金盤の謎を追え

ある日、”ノーネーム”にギフトゲーム”Raimundus Lullus”の契約書類が届きます。”サウザンドアイズ”主催で7種の”契約書類”である”ルルスの円盤”を集めた者がクリアとなるゲームで、”ルルスの円盤”はリトルゲームで奪い合うことが決められています。

同じくゲームに参加していた”クイーン・ハロウィン”のフェイス・レスと対峙する十六夜。”力”比べで勝敗を決めることにした二人は戦闘を開始。スペックで上回る十六夜ですが、技術で圧倒的に上回るフェイス・レスと勝負は拮抗。結局周囲の建造物を破壊して、白夜叉に弁償額を払うことに。耀と飛鳥、レティシア、黒ウサギが”契約書類”である黄金盤を大量に回収していたため補填できましたが、十六夜は彼女たちに借りができてしまいました。

キャンドルとオムレットとゴーストタウン

”ウィル・オ・ウィスプ”主催のギフトゲームに招かれた飛鳥と耀。収穫祭への優先的な参加権も競っているため、耀としては負けられません。ギフトゲーム”キャンドル・ザ・ゴーストタウン”でジャックから宝玉を奪えた者は、”炎を蓄積・供給できるギフト”を得ることが出来ます。耀と飛鳥は協力し、ジャックのカボチャ頭を叩き割って、宝玉を手に入れることに成功。耀の想いを知った飛鳥は、今回の勝利を耀に譲ることにします。

異邦人と月ウサギのお茶会

白夜叉が去ったのち、黒ウサギは自室で衣装の整理をしていました。そこへ、問題児三人組が乱入し、お茶会を実施。箱庭の学校教育と異世界の学校教育について情報交換をします。

白夜叉の用意した衣装の中に、男装用のものがあったのをきっかけに、十六夜を着せ替えして遊ぶことに。火龍生誕祭で得た命令権を黒ウサギが行使し、十六夜も抵抗できずに遊ばれることになります。

スティムパリデスの硬貨

ギフトゲーム”青銅の怪鳥”。スティルパリデスを”二翼”に加入させたいガロロは、十六夜たちに怪鳥の護衛を依頼。三人は、スティムパリデスを狙ってやって来たハンターたちを返り討ちにし、無事怪鳥を守り切ることに成功します。

守られたスティムパリデスは”二翼”に参加することを承諾。”龍角を持つ鷲獅子”の戦力強化ができました。

ギフトゲーム詳細

『Raimundus Lullus』

・主催者:”サウザンドアイズ”

・参加資格B:善なる者

・敵対者

 偉大なる者

 継続する者

 力ある者

 知恵ある者

 意志ある者

 徳ある者

・敗北条件:”契約書類”の紛失は資格の剥奪に相当

・勝利条件:全ての”ルルスの円盤”を結合し、真理ならざる栄光を手にせよ

・ゲーム補足

 すべての参加者の準備が調い次第ゲーム開始。

 ゲームの終了は全ての参加者の敗北した場合。

 

『キャンドル・ザ・ゴーストタウン』

・主催者:”ウィル・オ・ウィスプ”

・参加資格

 一、参加費は”サウザンドアイズ”発行の銅貨を一枚(十歳未満は無料)

 二、参加者は未成年である

 三、”ウィル・オ・ウィスプ”の招待状を持参している

・プレイヤー側勝利条件

 一、ゴーストタウンで徘徊しているランタンの使い魔から宝玉を奪う

 二、宝玉の種類で贈与される恩恵が異なる(各参加者に一つのみ授与)

 三、ジャック・オー・ランタンから宝玉を奪った者には特別恩恵を贈呈

・プレイヤー側敗北条件

 一、一刻以内に宝玉を一つも手に入れられなかった場合。

TIPS

《ライムンドゥス=ルルス》

ライムンドゥス=ルルスは、マヨルカ王国パルマ・デ・マヨルカ出身の哲学者・神学者・神秘家。フランシスコ会第三会会員。

初期のカタルーニャ語文学において主要な作品を制作しており、「カタルーニャ語の父」(カタルーニャ文学の祖)と呼ばれます。また、計算理論の先駆者とされ、特にゴットフリート・ライプニッツに影響を与えています。

《ギフトゲームと恩恵》

ギフトゲームとは人知を超えた力、すなわち恩恵を授かった者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭では売買と同価値の興行として扱われており、代表的文化体系となっています。

上記は表向きの説明で、実際には”ギフトゲームとは、歴史の考察・外界の事象を形骸化して争う試練、及び代理戦争が原型”と言われています。

そもそも恩恵とは、時代の収束点”歴史の転換点”に合わせて顕現する力。恩恵を回収する際、収束点に関連する者も召喚されるため、箱庭は著名人が多い。

《疑似神格・金剛杵》

帝釈天の恩恵が宿った天雷を招来できる金剛杵。”神格”とは”神霊に神として認められた位”を指す恩恵で、種・武装の最高位まで力を高めることができるという証。

《疑似神格・梵釈槍》

護法十二天神の長である帝釈天と、インド神話群の最高神プラフマー(梵天)によって造られた神槍。オリジナルはケルト神話の必中必勝の槍と同じく、使えば必ず勝利して敵を倒す代物。黒ウサギの装備はレプリカのため、”貫いた相手を必ず倒す槍”となっている。

《月界神殿》

仏話”月の兎”が招かれた月の大神殿。十五に分割された月の主権を、一つ以上所持した”月の兎”が召喚できる舞台型の恩恵。

《威光》

飛鳥の保有するギフト。”疑似神格の付与”という恩恵で、本来であれば神のみ使用可能な権利。

《生命の目録》

一、接触した獣(幻獣、神獣を問わず)の恩恵を得ることが可能。

二、接触した獣の恩恵を素材に全く異なった幻獣、神獣の恩恵を武具として顕現可能

三、合成して顕現させる武具の能力の限界値は未知数。

四、限界を超えた恩恵を顕現させると、全ての恩恵を消滅させてしまう。

系統樹が存在している種であれば、最強種の神獣でも無理やり顕現させることが可能

 

《最強種》

箱庭を代表する三大種族で、生来の神霊、純血の龍種、星霊が該当。星霊が最もランクが高く、他二つが対等。星霊は人類の発祥とは関係なく必ず誕生するため、星霊を完全に倒すことは不可能。なお、魔王アルゴールのように、星霊を神霊に堕として隷属させることは可能。

《魔王》

主催者権限”と呼ばれるゲームの強制招集権を持ち、それを悪用する者たちの総称。

《魔王アルゴール》

メデューサ”、”原初の悪魔”など多くの仇名を持っているが、現在は”ペルセウス”に隷属されています。本来の実力は”クイーン・ハロウィン”にさえ匹敵する箱庭の三大問題児の一角。

変光星であるアルゴルは古代メソポタミアより高い魔性を持つと言われ、地母神として崇められていました。しかし、ヘブライ旧約聖書で“原初の悪魔”として取り込まれたことで、星霊アルゴールとして覚醒します。アテナに敗れたのち、ペルセウスに暗殺・永久隷属され、現在に至ります。

《燕尾服の魔王》

南米ハイチのヴードゥー教の死神であり愛の神。最も有名な名称は”ゲーテ”で、真黒な人影の姿に山高帽と燕尾服を着込んでいます。

《人類最終試験》

最古の魔王たちの総称。神々の代理戦争は人類史が存続することを前提に行われている試験であるのに対し、人類最終試験は誰かが乗り越えない限り人類か世界が破綻する可能性を秘めた最上級の試練。なお、人類最終試験はギアスロール等の概念を使用せずにギフトゲームを実行できます。

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