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《内容ネタバレ》「冴えない彼女の育てかた」11巻をレビュー!!

富士見ファンタジア文庫の名作!「冴えない彼女の育てかた」11巻をネタバレありでレビューします!

※「冴えない彼女の育てかた」11巻のネタバレを含みます。ご注意ください。

※作品未読の方は、以下の特集記事をご覧ください。

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冴えない彼女の育てかた 11 (ファンタジア文庫)

11巻内容ダイジェスト

前回までのエピソードで、詩羽先輩と英梨々の問題を"ギャルゲーシナリオ"によって解決してきた安芸。美智留と出海については、特に本編で語られることなくあっさりとシナリオパートが完成してしまいます。

美智留と出海から文句を言われつつも、メインヒロインである加藤さんのルートを執筆開始することに。

サブヒロインのルートが、企画時点よりも出来が良くなっているため、メインヒロインのルートはそれらを凌駕するものが必要と伊織から指摘。安芸は張り切って執筆を開始しますが、思うように進まず、悩んだ末に紅坂朱音へ相談します。

紅坂から今自分がスランプになっている原因を聞いた安芸は、加藤さんに協力してもらってシナリオを作成することに。

メインヒロインのルートを最初から見直し、安芸の実際の行動も含めてダメ出ししながらシナリオを考える二人。何気ない会話ですが、気付けばお互いを想っているような甘い会話

「なんで、今、ここに、いないかなぁ……」

「どうして、わたしの目の前に、いてくれないのかなぁ……」

フラットな加藤さんのセリフとは思えないくらい、彼女の感情も表に出てき始めます。"お互いを意識し始める瞬間"、"初めての手つなぎデート"、"初めてのキス"など、シナリオに沿って順に仲を深めていき、調子に乗る安芸。

あまりにも接近しすぎる関係に、少し怖くなった加藤さんは距離を取ろうとしますが、安芸はどうしても加藤さんの誕生日にデートしたいと要望。英梨々への説明など、色々気にするのが馬鹿らしくなった加藤さんは、誕生日に安芸とデートすることにします。

しかし、やはり順調にはいかないようで…。

加藤さんエピソードの答え合わせ

今回のエピソードは、加藤さんとメインヒロインルートを考えるという内容でした。実際の経験をもとに安芸はシナリオを作っているため、加藤さんのシナリオ主人公への評価はそのまま安芸への評価につながります

加藤さんは今まで表情や感情を表に出してこなかったヒロインですが、実は色々と思うところがあったようで、各エピソードの主人公の行動についての批評を安芸へ伝え始めます。つまり、安芸への愚痴になるわけですが、各巻で彼女が本当は何を思っていたのかが明らかにされ、面白いシーンだったと思います。ここを読んでから、再度最初から読み直すと、また違った印象になるかもしれません。

クリエイターとして進化する安芸倫也

今回のエピソードで、安芸はスランプに陥ります。元々感情が見えずらい加藤さんを題材としたルートであるため難易度は高そうですが、紅坂曰く更にスランプの原因はあるとのこと。

"目"と"頭"が肥えたことが原因と紅坂に言われ、安芸は納得します。"目"の肥えでのスランプは英梨々も最近なっていたもので、今までは大丈夫だったレベルの作品でも拙さを感じてしまう現象。また、"頭"の肥えは、いくつもの道筋が見えてしまう弊害で、優柔不断になってしまって手が止まってしまう現象。どちらもクリエイターとしての地力を上げて、経験を得て乗り切らなければならないもので、安芸の場合はそれが同時にきてしまったのでした。

確実にクリエイターとして進歩している証拠ですし、今回はメインヒロインの加藤さんに協力してもらうことで経験不足を補うこともできます

1巻でゴミみたいな企画書を書いていた安芸が、ここまで成長してきたのかと思うと感慨深いものがあります。

 

以上、11巻は加藤さんのファンなら大喜びするであろう内容のエピソードでした。何気ない会話なのに、少しずつ距離を近づけていく二人の描写が巧くて引き込まれてしまいました。

今回も長文レビューをお読みいただきましてありがとうございます。

12巻ネタバレレビュー

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