《内容ネタバレ》「冴えない彼女の育てかた」10巻をレビュー！！
富士見ファンタジア文庫の名作！「冴えない彼女の育てかた」10巻をネタバレありでレビューします！
※「冴えない彼女の育てかた」10巻のネタバレを含みます。ご注意ください。
※作品未読の方は、以下の特集記事をご覧ください。
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10巻内容ダイジェスト
加藤さんは英梨々と仲直りし、出海は独自の作風を取り戻して順調にゲーム作りが進む中、熱海への合宿が計画されます。
現メンバーに加え、英梨々と詩羽先輩も合宿に参加。加藤さんに詩羽先輩とキスしていたことが今更ながらバレて無視されますが、何とか事情を話して許してもらいます。
無事旅館について落ち着いたのも束の間、紅坂朱音が旅館に現れ、急遽"フィールズ・クロニクル"の会議が始まります。英梨々は何とか紅坂と対等に渡り合うも、詩羽先輩のシナリオはボロボロに否定されます。具体的な修正内容も決まらないまま、シナリオ全体を見直すことになった詩羽先輩は、英梨々と共に翌朝東京に帰ることになります。
崇拝する詩羽先輩が目の前でボロボロにされてしまい、安芸は他のことをしていても上の空の状態に。加藤さんが"シナリオ"で詩羽先輩の問題も解決するように背中を押したことで、安芸は新たなシナリオの執筆に取り掛かります。
美智留に詩羽先輩を確保してきてもらい、詩羽先輩へ完成したシナリオを見せる安芸。キワどいシーンに悶絶しつつも、全てが丸く収まるハッピーエンドに違和感を覚えた先輩は、怒って帰ってしまいます。
後日、紅坂と偶然出会った安芸は、ビックサイトへ送ってもらいつつ詩羽先輩の近況を聞きます。詩羽先輩は安芸のシナリオを読んだのち、紅坂の想像を上回る壮絶なシナリオを書き上げ、フィールズ・クロニクルの上層部を騒然とさせたことを聞いた安芸は、詩羽先輩が完全復活したことを喜びます。
紅坂も詩羽先輩を復活させた安芸のシナリオに興味をもち、冬コミの新作をプレイすることを約束。紅坂側も安芸をクリエイターとして意識することになるシーンでした。
詩羽先輩が更に進化するエピソード
英梨々は前回の冬コミ前の那須高原で覚醒のキッカケを掴み、フィールズの企画に乗ることで完全に覚醒しましたが、詩羽先輩はイマイチ成長しきれていませんでした。
今回のエピソードで、自分の殻を破って更に高みへとのぼった詩羽先輩。安芸がシナリオで描いた"いつでも安芸の傍にいる詩羽先輩"を否定することが、クリエイターとしての成長のキッカケになるという嬉しくも悲しい展開。
安芸と詩羽先輩の関係は、物語が始まった当初からこの関係が続いています。傍にいても"クリエイター"としてしか見てもらえない悲しみと、傍にいることで”クリエイター"として成長できるというジレンマ。詩羽先輩の魅力は、この関係性の切なさから来るものなのかもしれません。
感情面がかなり表に出るようになった加藤さん
今更ながらに爆発した詩羽先輩とのキス地雷。物語序盤のフラットな加藤さんだったら、「そっか～」と流していたであろう事件でしたが、今の加藤さんは”暗黒オーラを出して安芸を無視”します。
物語が進んで人間関係と感情が移り変わって、ここまで安芸に対して感情を表立って見せるようになったかと思うと、ちょっと感動しますね。
繋がった安芸と紅坂朱音の関係
今までは一方的に安芸が紅坂朱音を意識していた状態ですが、今回のエピソードにより紅坂側からも安芸に興味を持つようになります。この関係が、今後のクリエイターとしての安芸にどのように影響を与えるのか楽しみです。
以上、詩羽先輩がレベルアップしつつ、安芸と紅坂が繋がったりと今後の展開的にも重要なエピソードでした。
毎巻、少しずつ関係が変化していく物語ですので、見ていて楽しめます。
今回も長文をお読みいただきましてありがとうございます。
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