《内容ネタバレ》「冴えない彼女の育てかた」6巻をレビュー！！
富士見ファンタジア文庫の名作！「冴えない彼女の育てかた」6巻をネタバレありでレビューします！
※「冴えない彼女の育てかた」6巻のネタバレを含みます。ご注意ください。
※作品未読の方は、以下の特集記事をご覧ください。
ブログ内リンク
6巻内容ダイジェスト
冬コミに向けて追い込みを掛ける放課後、遅れてやってきた黒髪ロングの加藤さんへ、詩羽先輩が尋問を開始。何と人生で初めて男子から告白されてしまったそう（因みに詩羽先輩は高校通算で34回、英梨々は3桁）。
詳細を確認するべく、メンバーは喫茶店へ集合。加藤さんに結果を聞きます。加藤さん曰く、告白された際、冬コミで忙しい旨を伝えたら、男側から去っていったそう。サークルのことを大切に思っており、今のままでいたいと願いを皆に伝えます。
エンディング曲も完成し、残るは原画の完成を待つのみとなり、英梨々は自分を追い込むため、那須高原の別荘にカンヅメになることを決意。安芸側からは連絡を取らない等の取り決めをして、英梨々は別荘へ向かいます。
英梨々が那須高原でのカンヅメを始めてから、安芸は1日1回の報告メールを待つ日々が始まります。
安芸は英梨々に対して"自分が守らなければいけない女の子"という独占欲がある為、詩羽先輩のような崇拝するクリエイターとは思えない・思いたくない傾向があります。これが、英梨々を低く評価することに繋がり、詩羽先輩から皮肉を言われてしまうことに。
その後、グランドルートの原画は完成したものの、電話口で倒れてしまう英梨々。後手に回ったことを後悔しつつ、安芸は対応に走ります。
伊織くんの協力で那須高原に辿り着いた安芸は、英梨々の描いたグランドルートの原画を発見。圧倒的なクオリティに、とうとう英梨々に対して崇拝（憧憬）を感じてしまいます。"守らなければいけない女の子"のイメージからの乖離に劣等感、疎外感、孤独を感じ、安芸は内心混乱してしまいます。
目が覚めた英梨々にデータ納品を諦めたことを責められながらも、2人の時間を那須高原で過ごし、クリスマスに7年越しの仲直りをします。
結局、冬コミは手焼きの100枚のみの販売となり、伊織との勝負のスタートラインにも立てませんでした。英梨々はメンバーに謝罪。安芸も謝り、なんとか丸く収まります。
しかし、冬コミ終了後、加藤さんが安芸へ怒りをぶつけます。英梨々の急病、冬コミを諦めること、締め切りのこと…何も相談せずに1人で決めたことが、友人として許せなかったようで、結局打ち上げにも参加せず帰ってしまいます。
冬コミから時は経ち、2月。加藤さんはサークルに参加しなくなり、英梨々もイラストが描けないスランプに陥ります。
安芸の英梨々に対する認識
6巻までの安芸の認識は以下の状況と予想されます。
①クリエイターとしての英梨々は認めているが崇拝はしていない
②まだ英梨々の過去の裏切りを恨んでいる
特に②は加藤さんとの会話から、かなり根の深いものだと分かります。
メインヒロインが初めてブレた安芸
安芸は、まだ間に合うチャンスはあったにも関わらず、"英梨々を守りたい"という自身の独占欲を優先して、パッケージ版ゲームの完成を諦めてしまいます。今までゲームの完成（加藤さんをメインヒロインにすること）を最優先にしてきた安芸が、初めて方針を変えたエピソードでした。
大きく関係の変化があったエピソード
①英梨々との関係が変化
那須高原の出来事をきっかけに、英梨々と安芸は仲直り。
ただ、安芸くんは英梨々が崇拝すべきクリエイターであることに気付かされてしまいます。6巻終了時点では、"守らなければいけない女の子"として英梨々を側に置いておきたい気持ちと、作品を崇拝するファンとして予想を超える作品を見たいという気持ちの両方を持ちつつ、葛藤している様子です。
②加藤さんとの関係が変化
冬コミを諦める件、英梨々の件、納期の件など、安芸からの相談がなかったことによりケンカに発展します。シリーズ通して、加藤さんが初めて感情を表に出します。
この時点での加藤さんの感情の考察は以下の特集記事に書かせていただいたいますので、興味があればご覧ください。
ブログ内リンク
6巻は第一部クライマックスに向けたエピソードといった印象。ですが、この巻だけでも見所は沢山あり、ただの準備回になっていない所が素晴らしいと思います。
7巻ネタバレレビュー
5巻ネタバレレビュー
ブログ内リンク
