ソク読みライトノベル

ライトノベルレビューの専門サイト

《内容ネタバレ》「ミリオン・クラウン」をレビュー!!

今回は、角川スニーカー文庫「ミリオン・クラウン」!

ネタバレありで”詳細あらすじ"と"設定考察"を実施していきたいと思います!

※ネタバレありのため、未読の方は以下の記事をご覧ください。

tino-review.hatenablog.com

ミリオン・クラウン1 (角川スニーカー文庫)

1巻内容ダイジェスト

新暦307年、世は人類退廃の時代。海上都市遺跡ーーー大樹海域。

巨躯の大猿の集団に襲われていた茅原那姫を、東雲一真が救うことから物語は始まります。那姫は極東の開拓部隊と合流し、一真は旧時代文明を研究している天ノ宮千尋、双子の日番谷日番谷吹雪たちと出会うことに。身元不明で、世界情勢について殆ど知識がなく、それでいて驚異的な戦闘能力を持つという、いかにも怪しい一真でしたが、英雄である龍次郎からの紹介状があったこともあり、無事開拓部隊に迎え入れられることとなります。

龍次郎から通信で、一真が”環境制御塔の内部で発見された300年前の人間”であることを知らされた那姫と千尋たち。情報源として非常に重要な人物であることが分かり、開拓部隊は一真を保護する方針となります。一真も、開拓部隊が保有する生存リストを必要としていたため、ギブアンドテイクで双方が協力体制を取ることに。

後日、極東へと侵攻してきた王冠種"太平洋の覇者"モービーディックの子供たち一真が挑むも、王冠種の圧倒的な星辰粒子体の力の渦に巻き込まれ敗北します。

「王冠種には星辰粒子体を含まない攻撃が一切効かない」という情報を那姫から聞いた一真は、かつて"極東の王冠"と呼ばれていた龍次郎のB.D.Aを持ち出し、モービーディックの子供の群れと再戦。一真は星辰粒子体が光の波動を超えた証である"アストラルノヴァ"の輝きを放ちながら、一閃。遥かな水平線にまで届く光輝の斬撃を放ち、白鯨の群れを消滅させます。

白鯨戦後、那姫と千尋の調査により、一真の親友である倭田辰巳が、妹の六華と結婚しており、その子孫が千尋だと判明。世界の崩壊前、一真が辰巳、六華と約束して果たせなかった夏祭り。辰巳の遺志を継いだ極東の開拓部隊によって夏祭りが催され、時代を超えて彼の約束と願いは果たされることとなりました。

人類最強戦力"ミリオン・クラウン"

かつては龍次郎が"極東の王冠”と呼ばれていましたが、モービーディックとの戦闘で片腕を失ったため、全盛期ほどの実力はない状況。

また、一真粒子蓄積量が897万で人類史上3位適合率は40%以上で人類史上2位と記載されているため、世界には一真を数値的に上回る”ミリオン・クラウン"が数名存在している様子

今回の数値はあくまで龍次郎のB.D.Aを使用したものですので、一真に最適化したデバイスを使用すれば数値は更に跳ね上がる可能性もあります。

12体の王冠種

”太平洋の覇者"モービーディック

アメリカの小説家ハーマン・メルヴィルの長編小説。捕鯨船ピークォド号が強大な白鯨モビィ・ディックを復讐のため探し出す物語。最後、モビィ・ディックによりピークォド号は日本近郊の太平洋で沈没させられます。

"不死の怪物"ジャバウォック

イギリスの児童文学「鏡の国のアリス」に登場する生物。挿絵を担当したジョン・テニエルにより、細いドラゴンのような姿で描かれています。顔は魚、2本の触覚と髭、身体は爬虫類のように鱗に覆われ、鋭い爪と蝙蝠のような翼をもっています。

"悪王"ヴァリトラ

古代インドの聖典で伝えられる蛇の怪物で、別名にアスラなどが存在。蛇以外にも雲や蜘蛛だとも描写。バラモン教ヒンドゥー教の神であるインドラとは敵対関係にあります。ゾロアスター教のアジ=ダハーカと神話学的には同一視されているため、「問題児シリーズ」で登場した"アジ=ダカーハ"との同一の可能性もあり

"北極の獣王"ダジボーグ

スラヴ神話の太陽神で幸福や富を与える神とされ、月の女神であるミエシャツの配偶者として描かれることもあります。原初年代記980年の項で3番目に名前が挙がり、スヴァローグ、ペルーンと共にトリグラフを構成。後にスヴェントヴィト、ヴォーロスに取って代わられます。※トリグラフ:スラヴ教の神の集合体

"赤道の空王"リントヴルム

ドイツに伝わる伝説上の大蛇ないし翼のあるドラゴンデンマークではレンオアムと呼ばれています。北欧ではドラゴンの概念はなく、ジグルズの竜退治や、ドイツのニーベルンゲンの歌においても、大きな蛇として表現されています。

"海没大陸の畜帝"蚩尤

中国神話に登場する神で、路史では炎帝神農氏の子孫とされる。獣身で銅の頭に鉄の額を持つといわれているが、ヒトの体に牛の頭と鳥の蹄を持つという説もある。石や鉄を食べ、勇猛で超能力を使い、同じ姿をした兄弟が81人存在。一説によると凶暴・獰猛な面もあり、反乱を初めて行った存在でもあるといいます。

"赤龍王"ペンドラゴン

アーサー王の父であるユーサー・ペンドラゴンが持っていた称号が"ペンドラゴン"。「ドラゴンを統べるもの」という意味を持っており、上記6体のうち3体がドラゴン(蛇)に纏わる者たちであることから、ジャバウォック、ヴァリトラ、リントヴルムはペンドラゴンの支配下として本作では描かれる可能性もあります。

 

7体の元ネタ等を考察すると、"赤龍王"ペンドラゴンが最も強力な王冠種であると予想できるかもしれません。また、ダシボーグは富と幸福の神ですので、この名を関しているということは、ある程度人類に友好的な王冠種の可能性もあります。

 

以上、今回は1巻のあらすじと、設定の考察を実施しました。王冠種は多種多様な出典を持っているため、どの王冠種がどれほどの脅威なのかはまだ分かりませんが、竜ノ湖先生の問題児シリーズとの関連性含めて今後が楽しみな作品だと思います!

今回も長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。

ブログ内リンク

tino-review.hatenablog.com