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ガガガ文庫「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12巻」!他サイトレビューをもとに考察!!

ガガガ文庫やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」!

当サイトでは俺ガイル12巻について、いくつかレビュー記事を掲載してきました。発売からある程度経過し、レビューも数多く出ていますので、それらをもとに本作について再考察したいと思います。

俺ガイルって?

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫)

友達を作ろうとも思わず、いつも一人でひねくれていた高校生が、それを見かねた教師によって「奉仕部」という部活に入れられてからの高校生活を描いた、ラブコメディ作品。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 - Wikipedia

Amazonカスタマーレビュー(2017/10/3時点)

★★★★☆ 4.1(76件)

さすが大人気シリーズの最新刊です。発売から約2週間でレビューが76件も投稿されていました!

Amazonカスタマーレビュー

Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫)

高評価

・読むことができただけでも嬉しい

・奉仕部の三人の心境の変化が見どころ

・発刊の間隔が空いて冷めていた気持ちがまた熱くなった

・登場人物の成長と葛藤が丁寧に描かれていた

・八幡が屁理屈でごまかさなくなったところに成長を感じた

・奉仕部の三人の関係性について作者が正面から向き合っているように感じた

・痛々しいまでの青春を感じる

・「涙」の使い方が巧い

低評価

いろはすが物語を動かす舞台装置になっている

・2年待った割に内容が薄い

・面白いが全盛期のころに比べると微妙

・文章がくどくて心理描写と風景が入ってこない

・切れ味とテンポが悪い

・比企谷の考え方が「社会人」で高校生ではない

・キャラクターの社会人ボケが酷い

・イラストの雰囲気が変わりすぎ

・展開が突拍子もなさすぎ

高評価の方々は、作品へかなり感情移入されており、当事者として奉仕部の三人とその周囲を見ているようなレビューが多く見られました。他の作品のレビューは「読者目線」で書かれているものが多いですが、俺ガイルのレビューは「当事者目線」になっています。こんなに沢山の方々が、ここまで感情移入している作品って、それだけで既に凄いことだと思います。また、そうなっている事実自体が、本作が純文学(芸術)というカテゴリになってきている証拠とも言えるのではないでしょうか。

また、恋愛モノとして本作を見た時に、「雪ノ下さんが有利」に読めた方と「由比ヶ浜さんが有利」に読めた方の両パターンがそれぞれ一定数いらっしゃるのも、凄いことだと思います。同じシリーズ作品を読んでいるのに、解釈が全然違うものになるというのは、凄く面白いことですよね。

低評価の方々の場合は、レビューが「読者目線」のものが多かった印象です。登場人物たちの精神年齢が上がったためか、考え方が高校生でなく社会人のように読めてしまう方もいらっしゃったようです。

また、読者側の年齢が上がった、もしくは刊行の間隔が空き過ぎたことで、本作の見方が変わってしまって感情移入できなくなってしまった方も多い様子。あとは、純文学を目指して書かれている本文をくどく感じる方や、舞台装置となりつつあるいろはすの扱いが気になる方も一定数いらっしゃいました。

読書メーター(2017/10/3時点)

読書メーターには128件のレビューが投稿されていました。さすが大人気作品ですね!反響が凄い!

読書メーター

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 感想 渡 航 - 読書メーター

高評価

・安定した小ネタに満足

・ハッキリ「共依存」と表現したことに驚き

・ここから人間ドラマとして面白くなりそう

・残念な若者の青春劇となっていて良い

・重くなりがちな展開をパロディで軽くしていて巧い

・登場人物一人一人にテーマが設定されていそうで良い

・文章が巧くなったように感じた

低評価

・キャラクターの性格が前巻から変わっている印象

ラノベフォーマットで文芸作品を書いているのでギャグが上滑りしている

・起承転結の転で終わってしまった

・奉仕部の関係性について高校生なのに重く考えすぎ

・評価すべきところ、評価できるところが一切ないのが凄い

「当事者目線」でそれぞれのエピソードへの感情を書かれている方が多い印象です。頻繁に見かけたコメントは、「ラストの由比ヶ浜が可哀想」「陽乃がウザイ」「奉仕部三人には幸せになって欲しい」という内容かと思います。

また、ラストの比企谷が雪ノ下を助けに向かう行動については賛否両論のようでした。ヒーローとしては助けに行くのが正解ですが、精神的な自立をテーマに見た場合は不正解な行動になりますので、ここは読者側が何に重きを置いて読んでいるかで印象が変わるシーンです。

上記のシーンのように、読み手側のテーマもしくはジャンル認識が異なるだけで、まったく逆の印象を持ってしまう場面が俺ガイルシリーズには多く存在しています。渡先生もそれを狙って本作に複数のテーマ性を入れ込んでいるのだと思いますし、読み応えのある良い作品だと感じます。

純文学として今後の展開を期待する場合は、奉仕部の三人の「青春」をとことん丁寧に描いてほしいなと思います。エンターテイメント的に期待する場合は、恋愛関連とそれぞれの方向性をハッキリと描いて欲しいですが、個人的な好みでは純文学的な方向で残り2冊が出ると嬉しいです。

今回は俺ガイル12巻の他サイトレビューを確認し、再考察させていただきました。長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。

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