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角川スニーカー文庫「ミリオン・クラウン」の魅力をご紹介!!

角川スニーカー文庫から10月1日に発売された「ミリオン・クラウン」!

竜ノ湖先生の問題児シリーズを読んだことがなかったので、内容が理解できるのか心配でしたが問題ありませんでした!

※ネタバレありの考察を希望される場合は、以下の記事をお読みください。

tino-review.hatenablog.com

ミリオン・クラウンって?

ミリオン・クラウン1 (角川スニーカー文庫)

著者:龍ノ湖太郎

イラスト:焦茶

新暦307年、世は人類退廃の時代。東京開拓部隊の茅原那姫(かやはら・なつき)は、この星を支配する環境制御塔で発見された青年・東雲一真(しののめ・かずま)と出会う。
しかし記憶なし、常識なし、経歴不詳な一真に振り回されて!? 
やがて全ての真実が明かされた時、一真の隠された力が解き放たれ、世界の命運をかけた人類最強戦力の闘いが始まる! 
巨躯の怪物、天を貫く塔、十二の王冠種――人智を超えた勢力に挑むミリオンクラウンとは!? 人類再演の物語、此処に開幕!!

sneakerbunko.jp

創りこまれた壮大な世界観

本作「ミリオン・クラウン」は、問題児シリーズの著者である竜ノ湖太郎先生が第14回スニーカー大賞に応募された「イグヴェイジョン」の改稿作角川スニーカー文庫には特設ページが用意され、CMやPVまで作られています。

そんなスニーカー文庫をあげて援護されている「ミリオン・クラウン」ですが、世界観も非常に創りこまれています。星の自然環境を掌握・支配していた環境制御塔、環境制御塔から散布されている星辰粒子体と呼ばれるナノマシン、人間の潜在能力を引き出すB.D.Aなど「ミリオン・クラウン」世界固有の設定が多数存在します。

本作の主人公やヒロイン達は、環境制御塔の暴走で滅びかけた世界を舞台に、巨躯種と呼ばれる星辰粒子体によって異常進化した怪物たちと人類の存亡をかけて戦っていきます。中でも王冠種とよばれる12の個体は惑星史上最強の生物で、人類退廃の原因でもあり、人類にとっての最大の敵となっています。

「星辰粒子体」とか「B.D.A」など未知のテクノロジーや、崩壊した世界の謎など、壮大な世界観が少しずつ明らかになってきて楽しめる作品です。

バランスの取れた俺TUEEE系主人公

本作の主人公は最初から最強クラスの実力をもっており、いわゆる俺TUEEE系の主人公になります。このタイプの主人公の場合、強くしすぎると戦闘描写に全く緊張感がなくなってしまうのですが、本作の場合は巧くバランスが取られています

①B.D.A等、新暦307年レベルのテクノロジーを主人公が知らない

②通常のB.D.Aでは主人公の力を発揮しきれない

少しネタバレになりますが、主人公は上記2点の要素により、戦闘で全スペックを使うことができない状態となっています。②の要素は、「鋼殻のレギオス」のレイフォンを思い出しました。

この調整により戦闘描写にも緊迫感がでており、強すぎる主人公でも十分に楽しめる内容となっています。

ミステリアスで魅力的なヒロインたち

今回の表紙にもなっている赤服部隊長の茅原那姫、旧時代文明を研究している天ノ宮千尋、元気な双子の日番谷日番谷吹雪出自含めてミステリアスな部分がある彼女たちですが、こちらも物語が進むにつれて少しずつ明らかになっていきます。

冴えない彼女の育てかた」に脳を侵食されている私は、千尋が脳内変換で詩羽先輩に見えてきてしまいます…。あの先輩なら、世界が滅亡しても元気に本を読んでいそうですしね。

どのヒロインも物語の鍵となる謎を持っていそうですので、今後の展開が楽しみになります。

強大な12の王冠種

本作における最大の脅威として描かれている王冠種。12体存在するということですが、どんな個体が出てくるのか楽しみです。

本作の世界観や敵の雰囲気は新世紀エヴァンゲリオン蒼穹のファフナー等の作品に似たものがあると思います。どこか物悲しい世界観の中、驚異的な敵が次々と襲ってくる絶望感と言いますか…。

ただアニメとは違って小説という媒体ですので、1巻につき王冠種1体と戦うようなパターンで固定されてしまうと物語が中だるみする可能性があります。単純に敵と戦うだけでなく、政治的な要素など他の軸も作品に入れていって欲しいなと、個人的に希望しています。

 

以上、公式サイトやあらすじなど公に出ている情報中心に、ネタバレしないように魅力を紹介させていただきました。

読ませていただいた感想としては、十分に期待通りの内容でしたので、続きが気になる作品になりました。

竜ノ湖先生の「問題児たちが異世界からくるようですよ?」や「ラストエンブリオ」とも世界観がリンクしているという噂も聞きましたので、そちらのシリーズも少しずつ読んでいきたいと思います。

今回も長文をお読みいただきましてありがとうございます。

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