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ガガガ文庫「物理的に孤立している俺の高校生活」シリーズの魅力をご紹介!!

ガガガ文庫の「物理的に孤立している俺の高校生活」!

ぼっちで残念な主人公たちの物語について、魅力を紹介させていただきます。

物理的に孤立している俺の高校生活って?

物理的に孤立している俺の高校生活 (ガガガ文庫)

著:森田季節

イラスト:MikaPikazo

波久礼業平は異能力者高等専門学校の2年生である。彼には友達がいない。それもこれも彼の持つ能力、無意識に半径1m以内の人間のエネルギーを吸い取る、いわゆる「ドレイン」のせいである。周囲からは露骨に距離を置かれ、モテる兆しは全くないし、そもそも友達がいない。定位置はクラスの一番後ろ。机から半径1mの位置に侵入注意のテープが貼られている。スクールカースト底辺というより範囲外といったほうが正しい。
「形態変化とか自分よりキモい感じの異能力者にだって友達がいるのに、おかしいだろ! 世の中まちがってる!」彼の鬱屈とした感情は爆発寸前だった。
そんな悶々とした彼に声をかけたのは、校内で誰もがその名を知る孤高の毒舌少女氷の姫こと高鷲えんじゅ。ひょんなことから彼女の秘密を知ってしまった業平は、彼女から友達を作る『同盟』を持ちかけられる。思わぬ提案に心を躍らす業平だったが、とても簡単なことを失念していた。「類は友を呼ぶ」ということわざの存在を……。そして、そんな悩みを抱えたぼっちは彼らだけではないということを……。
不遇な異能力のせいでぼっちになっている負け組たちが巻き起こす、学園異能力ライフ

主人公は出る作品を間違えている?

主人公は「ドレイン」という周囲の人間のエネルギーを吸収できる異能をもっています。学園異能バトル作品に登場していれば、強いキャラクターとしてカーストの上位に君臨できていたはずの、非常に残念な主人公。

彼の能力「ドレイン」が最も悲しいのは、アクティブスキルでなくパッシブスキルである点。常時発動型のため、電車に乗ることもできず、ましてや他人と触れ合うこともできないという絶望的な設定せっかく友達ができても1m以上離れて行動せねばならず、1人集団から外れる形に

残念な異能と過去の経験などから、若干卑屈になっているものの、人に優しくできる性格の良い主人公です。

モノローグが面白い作品は読んでいて楽しい!

本作の魅力の一つは、モノローグが読んでいて面白い点です。「このすば」などの作品にも言えますが、単なる情景描写や事実を文章化しているだけなのにいちいち面白くかかれているので、ずっと楽しく読むことができます。

楽しい地の文章の中に、学生時代に感じたことのあった描写が紛れ込んでいて共感したり、この性格だとこういう風に感じるのかと興味を惹かれたりと、色々な感情を刺激されながら楽しめる作品でした。

こんな作品が好きな方にはオススメ!

本作はキャラクター達の楽しい掛け合いを眺めつつ、学生時代の感情などを時たま思い出させてくれるような作品。同レーベルから刊行されている弱キャラ友崎くんが好きな方は、この作品も好みなのではないかと思います。

「俺ガイル」と若干キャラの設定は似ていますが、テーマも物語の雰囲気も別物ですので、あのような作品を期待して読む場合は、本作は少しイメージと違うかもしれません。どちらかというと、平坂先生の僕は友達が少ないのほうが本作に近い印象です。

 

以上、長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。