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MF文庫J新作「ワキヤくんの主役理論」!明日が公式発売日!(発売まであと1日)

もう全国で発売中の「ワキヤくんの主役理論」!

今回は主人公とヒロイン、サブヒロインの関係性について少し掘り下げて紹介していきます。

ワキヤくんの主役理論って?

ワキヤくんの主役理論 (MF文庫J)

著者:涼暮皐

イラスト:すし*

定価:本体580円(税別)

ISBN978-4-04-069347-7

MF文庫J編集部ブログ

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主人公とメインヒロインの関係性

未那(主人公)と叶(メインヒロイン)の関係性はとても異質です。二人の趣味嗜好がほぼ一致しており、初対面から相互理解が熟練円満夫婦並。ただ、通常相互理解する過程で得ているはずの「共通の経験」がないため、ドッペルゲンガーに会ったような気持ち悪さがお互いにあるのだと思います。

同じ趣味嗜好をもちつつも、経験や環境が異なるため全く逆の発想に至った二人。偶然と必然が絡み合って同棲生活が始まり、「共通の経験」を積み重ね始めます。

ブコメのヒロイン設定としては反則級の強さです。初期段階で共感はできなくともお互い理解はできるのですから。これ以上の関係性の進展には、「お互いの目的」「お互いの経験・環境」を理解していく必要があると思います。

2人が『主役理論』や『脇役哲学』といった発想に辿り着いたのは、今までの自分では手に入れられなかった「何か」が欲しかったためだと思われます。それぞれの発想に至った経過とその目的を理解し合うことで、より深い関係になれるのだと考えます。

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主人公とサブヒロインの関係性

未那とさなか(サブヒロイン)の関係性は、運命的な繋がりがいくつか存在し、他の作品ならメインヒロイン的なポジションになり得るキャラクターかと思います。ただ、辛いことに本作のメインヒロインは強すぎて…。

さなかの場合、主人公との関係性を深めるには、メインヒロインと同様に共通の経験を積み上げつつ、未那という人間を理解していかなければなりません。ただ、スタート時点から「相互理解」という点でメインヒロインに大幅にリードされているため、非常に辛い展開になっています。

そんなさなかがメインヒロインを抜き去るには、未那が『主役理論』を組み上げてまで本当に欲しかったものをメインヒロインよりも先に理解し、アプローチしていく展開でしょうか。ただ、常に自分よりも主人公を理解しているメインヒロインが傍にいるわけで、なかなか辛い展開になりそうです。

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主人公について

本作の主人公は『主役理論』を構築して何かを求めています。本人も何が欲しいのか具体的には自覚できていないのかもしれませんが、作品が進むにつれて理解していくのだと思います。

また、主人公の性格について、まだ明らかにされていない部分が多いですが、非常に臆病で消極的な面もありそうです。性格面を理解できる叶が有利になる要素にも見えますが、彼ら二人の場合、既に良き同居人という深い関係性を築いてしまっています。お互い臆病な二人が、その関係性を壊す「怖さ」を乗り越えて、新しい関係性へと進めるのかどうかも大きなポイントになりそうです。

関係性についてのまとめ

長々と書いてしまいましたが、以下それぞれの関係性について、管理人なりの本作の見どころをまとめます。

・主人公とメインヒロイン

趣味嗜好が殆ど同じ二人が辿り着いた『主役理論』と『脇役哲学』。彼らが何を経験し、何が欲しくてそこに至ったのか。その経緯と目的を二人が共有していく描写が注目すべきポイントかと思います。

・主人公とサブヒロイン

スタート時点でメインヒロインに大きな差をあけられていますが、「普通」のヒロインとしてどこまで主人公を理解し近付いていけるのかが注目ポイント。メインヒロインよりも先に主人公の本当の目的に気付ければ、ワンチャンあると思います。

・主人公

他者へ踏み込むことに臆病で消極的な一面を少しずつ克服し、周囲の人たちと関係を深めていく描写が注目ポイント。一人では越えられない壁も、周囲の人たちの助けがあれば超えていけるのかもしれません。

 

本作の場合、さなかは初期から主人公に対して恋愛感情がありそうですが、叶は初期段階では恋愛感情がありません。

ブコメなどの作品で、ヒロインが途中から主人公のことを意識し始め、恋愛感情をもつ描写というのは、非常に表現が難しそうだなと思っています。描写が少なければチョロインですし、しっかり書きすぎても趣がなく面白くないという高難易度イベントですが、本作ではどのように描写されるのかも見どころです。

以上、とても魅力的な作品ですので、是非手に取っていただけると嬉しく思います。

発売カウントダウン記事

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